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2006年03月14日

自賠責を任意保険の会社が請求

現実には交通事故の加害者が自ら賠償金を立て替えるケースは少なく、大半は加害者側の任意保険会社が「一括払い」という方法で被害者に賠償金を支払い、加害者に代わって自賠責請求を行っています。

自賠責を任意保険の会社が請求.jpg


たいていの人が入っている自賠責保険ですが、大きな事故を起こしてしまった場合など、自賠責保険だけでは賄いきれません。

そこで、任意保険に入っていれば、その超過分を任意保険の会社が一括で手続きしてくれるのです。

任意保険の会社は被害者に対し、自賠責保険分と任意保険の分を一括で支払い、立て替えてあった自賠責の方を任意会社が請求して取り戻すのです。

稀に、任意保険に入っていない加害者もありますが、その場合は加害者は被害者に損害賠償を支払い、後で自賠責保険に申請し、お金を取り戻す事例もあります。

自賠責保険査定制度の変遷

これまで、自賠責保険の査定の内容や支払いについては不満も多く、国土交通省では1997年から1998年にかけて、自賠責保険の査定の改善策に乗り出しました。

自賠責査定制度の変遷.JPG


それまでの査定制度の変遷を書いていきましょう。

1997年9月26日 運輸省が自算会(現・損害保険料率算出機構)に「自賠責保険に係る損害調査方法等の改善について」という指導通達を出しました。

同年12月26日 自算会が改善策をとりまとめ、運輸省に報告をしました。

翌1998年1月12日 運輸省が損保業界と共済組合に対して「自賠責保険の支払いの適正化を通じた自動車事故被害者保護の充実について」という通達を出しました。

同年3月下旬 各損害保険会社と共済組合が、運輸省に「被害者保護対策」を回答しました。

同年4月1日 自算会の改善策に基づいた新システムによる自賠の損害調査がはじまりました。

改正後の自賠責の内容は?

2002年4月1日より、自賠責保険及び自賠責共済共通で自賠責法が以下のように変わりました。

1.今まで後遺障害の最高額は3000万円でしたが、介護を要するものについては、最高4000万円まで引き上げられました。

2.自賠責保険の損害額の査定の基準だった査定要綱が、法的に国の支払基準となりました。

3.自賠責保険の支払金額や責任があるかないかの判断、後遺障害の判定に対して不満がある場合は、今までは自動車損害保険料率算定会の内部に設けられた審査会と再審査会でその判断が行われていましたが、再審査会が廃止されました。

4.国に監督権のある、財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構という第三者機関が設けられました。

5.重要な事案については国へ届け出るよう、自賠責保険会社に義務づけられました。  

4の財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構の事務所は当面、東京と大阪の2か所に設けられます。

自賠責法が2002年に改正

2002年4月の自賠責法(自動車損害賠償保障法)改正によって、その罰則が厳しくなりました。

2002年に自賠法が改正!.JPG


自賠責保険は別名:強制保険とも呼ばれ、公道を走るすべての車やバイクにその加入が義務づけられて
います。

これに加入せず、または期限切れで乗ってしまうと、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金です。そして、自賠責の証明書を車に積んでいないだけで、30万円以下の罰金になります。

特に、250cc以下のバイクは車検がないので、期限切れに気づかないことが多く、注意が必要です。

そのほか、条文の中では初めて支払い基準が明記され、査定結果や支払額、後遺障害認定の根拠に
ついての理由を明らかにすることや、被害者に説明することを法律の中で義務づけられており、大きく変化しました。

守らなかった保険会社には罰則の規定もあります。

もし、保険会社から十分な説明を受けなかった場合は、この自賠法に反することになりますので、国土
交通省にそのことを通告すればよいでしょう。

車種別自賠責保険料(平成18年4月1日改正) 

平成18年4月1日改正 車種別自賠責保険料を掲載しました。

平成18年4月1日改正 車種別自賠責保険料.JPG

●自家用乗用自動車
期間36カ月 43170円 +1350円
期間24カ月 30680円 +900円
期間12カ月 17940円 +460円


●自家用小型貨物自動車
期間24カ月 25820円 +740円
期間12カ月 15490円 +370円

●軽自動車(検査対象)
期間36カ月 34550円 +1050円
期間24カ月 24880円 +700円
期間12カ月 15010円 +350円

●小型二輪
期間24カ月 20150円 +530円
期間12カ月 15490円 +370円

●原付
期間60カ月 17510円 ±0
期間36カ月 12650円 ±0
期間12カ月  7580円 ±0

ただし、沖縄県・離島は除く。

自賠責保険の収支は、原則として±0にならなくてはなりません。支払われた保険金額により引き上げや引き下げが行われるので、車種によって値上げ率に違いがあるのです。


交通事故の被害者にも過失がある時の自動車保険

交通事故の被害者にも過失があるケースはどうなるのでしょうか?

私は夜道で車で人をひいて大ケガさせてしまいました!
道路を横断しようとしていた人だったのですが、横断歩道でない所を渡っていましたし、酒に酔っていたようでした。

相手にも過失があると思うのですが、相手の人への損害賠償額を減額することはできないでしょうか?

などの交通事故の被害者にも過失があるケースです。

交通事故の被害者にも過失があるケース


このような場合のように、歩行者にも過失がある時は、自動車保険は被害者にも減額されます。
加害者だけが悪いわけではないのに、その責任の全部を押し付けるのは酷である、という観点です。

被害者の過失分を差し引いて、加害者の過失の分からみて自動車保険の損害賠償額が決められます。

過失割合をどうみるか?というのは、判断は簡単なことではありません。
過失相殺の基準はいくつかあり、最近では平成16年に民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準

というのが東京地裁民事交通部裁判官の作成のもと、発表されました。

交通事故の被害者に既往症があった時の自動車保険

交通事故の被害者に既往症があった時の自動車保険はどうなるのでしょうか?

私はリウマチ持ちの60代の主婦です。最近は痛みもなく楽だったのですが、交通事故により身体を打ったためか、また痛くなってきました。

ケガだけでなく、リウマチの治療にも通いたいと思います。
再び痛くなったのは交通事故のせいだと思うのですが、その分も自動車保険で損害賠償されますか?

交通事故の被害者に既往症があった時の自動車保険


既往症とはもともと持っている病気のことです。
このケースは裁判の判定に委ねられるところですが、交通事故による障害と、既往症による障害なのか判断も難しいと思います。

ポイントは、その交通事故が発症の引き金になったか因果関係が認められるか?ということです。
以前の判例の傾向では、このような因果関係の微妙なケースについても認定される場合が多かったのですが、最近の自動車保険では、割合的に認められる傾向になってきています。

発生した損害から、被害者の素因や持病に起因すると思われる部分を差し引いて、自動車事故が与えた損害がどの程度であったかを認める、というのが最近の傾向です。

被害者等に対する情報提供及び情報開示の改善

1.自賠責保険に対する被害者向け説明文書の作成

被害者等に対する情報提供及び情報開示の改善.JPG


自賠責保険の仕組みや請求方法、自算会が行う損害調査等を取りまとめたパンフレットを作成する。
このパンフレットは自賠責保険の仕組み・請求方法、無責や減額となるケースについての自算会の審査体制や不服申立て・不服審査の方法及び最終的な紛争解決方法、日弁連交通事故相談センターなどの各種無料相談所への相談方法等を、わかりやすく説明したものとする。
なお、パンフレットは、自算会のみならず、運輸局、各種無料相談所、保険会社、共済組合等に配布して、備え付けを要請する。

2.被害者に対する情報開示の徹底

自算会は、ⅠⅡで述べた特定事案であるか否かにかかわらず、被害者等に対し保険会社と強力して、できる限り具体的な自算会の意志決定理由の開示を徹底する。
なお、関係者のプライバシーの保護観点から、事実関係の一部を公表できない場合についても、自算会が意思決定した理由については、可能な限り具体的に被害者に開示する。


全労済グループが取扱う自賠責共済について

Ⅰ~Ⅲについては、全労済グループが取扱う自賠責共済についても適用する。
なお、今後新たに自賠責共済に係る損害調査を自算会に委託する共済組合が取扱う自賠責共済についても同様とする。

無責適用と重過失減額事案の損害調査法と意志決定システムの改善③

3.不服審査処理システムの透明性の向上

無責適用と重過失減額事案の損害調査法と意志決定システムの改善③.JPG


(1)自賠責保険有無責等再審査会の設置

 有無責審査会に付した事案について異議申し立てがあった場合は、自算会に設置する自賠責保険有 無責等再審査会(以下、「有無責等再審査会」という。)で審査する。
 自算会は、有無責等再審査会の審査結果に従い、意思決定を行う。

(2)有無責等再審査会の構成

①有無責等再審査会は、第三者のみで構成する最終的な審査機関とする。

②有無責等再審査会の構成員は、交通法学者、日本弁護士連合会が推薦した弁護士(自算会の顧問 弁護士を除く。)、学識経験者(報道関係者の代表を含む。)とし、自算会が運輸省と協議のうえ決定す る。また、事案審査の必要に応じ、臨時委員として、専門医・工学鑑定の専門家が出席する。
 なお、同再審査会の構成員の氏名等については、委員個人に対する干渉を防止し、中立・公平な審査 の実施を確保するため、原則として、公表しないものとする。

③自算会は、事務局として説明を行うのみで、有無責等再審査会の審査には加わらない。

(3)新たな事実が認められた場合の取扱い

有無責等再審査会で審査が行なわれた後、事故状況等に関する新たな事実が明らかになった場合は、必要に応じ、2(2)の有無責等審査会において、再度審査する。

2006年03月13日

無責適用と重過失減額事案の損害調査法と意志決定システムの改善①

1.損害調査方法の改善

無責適用と重過失減額事案の損害調査法と意志決定システムの改善①.JPG

(1)事故当事者等に対する調査及び現場調査の一層の徹底

①事故当事者等に対する調査の徹底
(ア)事故当事者への照会様式を改定し、事故状況をできるだけ具体的に把握するよう努めるとともに、破損車両の写真がある場合は、提出を求めるなど客観的な情報の収集に努める。

(イ)事故当事者の死亡等により、事故当事者からの事情の調査が不可能なケース及び事故当事者の意見に相違があるケースについては、目撃者を含む事故関係者への事故状況に関する照会を徹底するとともに、必要に応じ、事故関係者への面談等を実施する。

②現場調査の徹底
(ア)正確な事故状況を把握するために、事故状況調査マニュアルを改正するとともに、同マニュアルに基づき、一層的確な現場調査を実施するよう努める。

(イ)調査担当者に対する研修を拡充し、調査担当者の事故状況調査の向上を図る。

(2)事故解析の充実

①デジタルビデオカメラの導入
事故発生現場の環境及び交通状況をより正確に把握するため、デジタルビデオカメラ等の機器を導入し、事故状況の検討に活用する。

②「パソコンによる事故解析システム」の試験的導入等を通じた事故解析の充実
 事故発生状況の検証に当たって、パソコンによる事故解析システムを試験的に導入し、その有効性を
 検討する。また、事故解析方法の工学的研究成果を活用し、分析能力を高めるよう努める。

ひき逃げの場合の自動車保険

Q
ひき逃げの場合の自動車保険はどうなるのでしょうか?

A
私の夫は、夜道に後ろから走ってきた車にひき逃げされました。
幸い大事には至らなかったものの、ケガを負っています。
加害者が分からないので、損害賠償はされないのですか?

といったケースの自動車保険です。

ひき逃げの場合の自動車保険


ひき逃げのように加害者が分からない場合、または無保険車との事故で損害を受けた被害者のために、国の救済制度があります。

自動車保険の支払の基準、請求の手続きともに、自賠責保険とほぼ同じような保障をされます。
   
しかし事故の日から2年以内に請求の手続きをとらないと、時効になってしまうので注意です。

法律では加害者は交通事故を起こしてしまったら、ただちに被害者を救助し、警察へ届け出なければならないことになっています。

ひき逃げをすると、5年以下の懲役または50万円以下の罰金を課せられます。

2006年03月12日

過失割合と過失相殺

自動車事故を起こしてしまったら、みなさん興味あるのは自分の過失割合がいくらあるのか?ということではないでしょうか?

過失割合と過失相殺.JPG


過失とは自動車の運転者の不注意を言います。
しかし自動車だけでなく自転車や歩行者などの交通弱者でも過失が発生する場合があります。

例えば、信号を無視して交差点を渡る歩行者が事故に遭えば、歩行者側に重大な過失があります。

過失割合とは、”30:70”などのように表されるように、交通事故の当事者双方の過失があった割合のことをいいます。
この数字によって、その後の自賠責保険の支払いや任意保険の支払いにまでも影響してくるのです。

よく混同されるのですが、過失相殺は、過失割合を基に双方の損害額の相殺を行うこと、あるいは相殺を行った金額をさします。

過失割合と過失相殺とは

重過失減額とは、交通事故の被害者に重い過失があったときに、支払われる保険から減額されてしまうことをいいます。

また、減額率とは、被害者に何割の過失があったかによって支払う額を減らすパーセンテージのことをいいます。

重過失減額と減額率とは.JPG

以下のように減額率が決まっています。

被害者の過失が7割もなかったとき 減額なし
●7割以上のとき 20パーセント
●8割以上のとき 30パーセント(ただし、後遺障害を伴わない傷害事故のみの場合は、20パーセント)
●9割以上のとき 50パーセント                 

自賠責保険は被害者のためにつくられた保険制度です。
しかし、請求をすればどんな場合でも払ってくれるというものでもありません。

そこには厳しい査定が待っているのです。

交通事故の被害者が亡くなっても、被害者が100%悪かったと判断されたため、その遺族には1円も支払われなかったというケースが本当にあるのです。

逸失利益とライプニッツ係数とは

逸失利益とは、本来、被害者が生きていたら得ることができた、と予測される収入のことです。
死亡の場合の保険金を計算するために逸失利益の計算がされます。

逸失利益は以下の計算式で出すことができます。

逸失利益=(収入額ー本人の生活費)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

ライプニッツ係数とは、将来の収入を一時金で受け取るために、途中で発生する年5%の利息を複利で差し引くための係数のことをいいます。

なぜ、本人の生活費を差し引くのかというと、本人が亡くなっているため、生活費がいらないからです。

本人の生活費を証明することは難しいため、以下の3基準があり、それにあてはめて大体の数字をだします。

①死亡の1年前の実収入
②年齢別平均給与額
③全年齢平均給与額(男子:41万5400円、女子:27万5100円)

自賠責保険からの求償(きゅうしょう)とは

健康保険や労災保険を使って交通事故によるケガの治療を受けると、その治療費は保険者(健康保険組合などや労災保険)が立て替えて支払ってくれ、その分を保険者が自賠責から後で取り戻すのです。

このことを、求償といいます。

求償とは.JPG


被害者は、これら保険者(健康保険組合などや労災保険)に「相手ある交通事故によるケガですよ。」というのを知ってもらわねばなりません。

このために、保険者に”負傷原因届書”というのを提出します。

この求償は、加害者の過失分しか求償する権利はありません。
しかし、それにも関わらず、病院でかかった医療費全部を求償しようとするケースもあるのです。
今はどこの保険者も赤字で大変だからです。

それによってダメージを受けるのが被害者です。
もらえるはずの休業補償や慰謝料がなくなってしまうからです。

できるだけもらいたい、自賠責の保険。それを少しでも他に取り上げられてしまうリスクを防ぐためには、
”「自賠責保険優先払いの念書」に捺印しないこと”が肝心です。

これに捺印することは、「どうぞ私の分も求償してください!」と言ってるのと同じことなのです。

自賠責保険の本請求とは

自賠責保険の本請求とは、自賠責保険に対し、ケガの治療がすべて終わったときに請求することです。

賠償金は、損害保険料率算出機構の調査事務所が損害額の合計を出し、今までに受け取った仮渡金や内払金を差し引いて支払われます。

自動車保険の本請求とは


被害者保護の観点から成り立つ”仮渡金”は、請求から支払いまでが一週間くらいで早いのですが、”内払金”は被害者・加害者の双方に払うものですし、お互いの有無責や重過失減額を考え計算しなければならないので、支払いが迅速というわけにはいきません。

そんな仮渡金と内払金を考慮に入れて損害保険料率算出機構の調査会社が計算し、自賠責の保険会社がそれを確認して支払う訳ですから、請求から支払いまでには1カ月くらいはかかります。

請求に必要な書類については、「自賠責保険請求のご案内」の中に書いてありますが、交通事故証明書や印鑑証明書、医師の診断書や診療報酬明細書(病院の領収証のこと)、休業損害証明書などを提出しなければなりません。

事故証明や印鑑証明は、一度出すとその後の請求ではいりません。

自賠責保険の内払金とは

自賠責保険の内払金とは、被害者と加害者のどちらもが自賠責保険に請求できるお金で、休業損害・治療費・入院雑費などをその都度請求することができます。

自賠責保険の内払金とは


請求は、損害額が10万円を超えたらできます。
何回でも請求できますが、その度に診断書料金などもかかってきますので、まとめて請求した方がおトクです。

診断書もたいてい5000円で、最低3000円以上はします。バカになりませんね。

請求できない場合は、亡くなっていたり、後遺障害のある場合です。

ただし、仮渡金を受け取っていたら、その金額と、内払金の最低金額の10万円を足した金額以上に損害がなければなりません。

仮渡金をいくら支払ってあったかは、損害保険料率算出機構の調査会社に情報が入っているので、そこで計算をしてもらいましょう。


自賠責保険の仮渡金とは

自賠責保険の仮渡金とは、被害者が当面の費用が必要な時に、損害賠償を受ける前に、まとまったお金を受け取ることをいいます。

自賠責保険の仮渡金とは.JPG


自賠責保険の仮渡金が請求できるのは1回だけです。

仮渡金の診断書を医者に書いてもらって提出すれば、1週間ほどで支払われます。

あくまでこれは”仮渡金”ですから、最終的に決定した金額が仮渡金より少ない場合は余る分を、保険会社に返さなければなりません。

金額は、以下のように被害の程度によって違ってきます。

●死亡時 290万円
●入院14日以上で治療に30日以上かかる時 40万円
●大腿骨・下腿骨の骨折 40万円
●上腕または前腕の骨折 20万円
●入院14日以上かかる場合・入院し治療30日以上かかる時 20万円
●治療11日以上かかる時 5万円

交通事故は証拠を集めておいて!

「死人に口なし。」といいます。

もしも、自分の家族が突然の交通事故で亡くなってしまったら・・・?
もしも、交通事故で亡くなった家族が100%悪かったと言われてしまったら・・・?

交通事故は証拠を集めておいて!


そんな時は自賠責保険は出ないかもしれません。
きっと簡単には納得できませんよね。

真実の究明・・・本当のことを知るためには証拠がすべてです。

そんなことは警察がやってくれる?

でも、警察がやっているのは加害者の刑事処分を決めるまでの捜査のための証拠集め。
被害者は加害者の刑事処分が決まるまで、警察の作成した書類の内容を知ることはできないのです。

現場のスリップの跡、事故車の損傷部分のアップ写真、被害者の事故時の衣類など、大事な証拠です。
警察にだけ頼らず、自分で、自分が動けないのなら人に頼んででも証拠を集めておきましょう。
写真もいろんな角度から撮るなど、慎重に集めてください。

交通事故、最後に頼れるのは、自分や家族なのです。

自賠責請求時の心づもり

自賠責保険には、示談交渉サービスや請求代行のサービスはありません。

交通事故の加害者が任意保険に入っている場合、たいていの任意保険には示談交渉サービスが付いていますから、保険の担当者に交渉をしてもらえるのです。

自賠責請求時の心づもり.JPG


自賠責保険で足りない分を任意保険で補うわけですから、加害者が任意保険にも入っていたならば、たいていは任意保険の担当者に動いてもらえるわけです。

問題なのは、加害者が任意保険に入っていなかった時です。その場合、被害者は自分で自賠責保険に請求をしなければなりません。

また、被害者の過失が大きい事故の場合も任意保険はでませんから、担当員は動いてくれません。

やはり、最後に頼りになるのは自分や家族、ということになります。

日ごろから、交通事故の損害賠償について勉強し、できるだけ自分がトクできるためにも、たくさん知識を
身につけておきましょう。

不服審査処理

③特定事案に係る公正な不服審査処理システムの構築

1998年実施 自算会の対策③④.JPG


不服審査処理のための最高機関として、「自賠責保険有無責等再審査会」および「自賠責保険後遺障害再審査会」を設置する。

再審査会は最終的な審査機関であり、交通法学者、日弁連推薦の弁護士および学識経験者といった第三者で構成される(必要に応じて専門医や工学鑑定の専門家が加わる)。

自算会は事務局として説明を行なうのみで、再審査会の審査には加わらず、再審査会の審査結果に従い、意志決定を行なう。

(注)再審査会のメンバーは、自算会が運輸省と協議のうえ選定する。なお、メンバーについては、メンバーへの干渉を防止し、中立・公平な審査を確保するため、原則として氏名等は公表しない。平成10年3月
以前に発生した交通事故についても、損害調査が完了していないものについては対象となる。なお、訴訟中のもの等は除く。


④被害者等に対する情報開示および情報提供の充実

自算会の意志決定については、特定事案であるか否かにかかわらず、被害者等に対し、保険会社と強力してできる限り具体的な「意志決定理由」の開示を徹底する。

関係者のプライバシー保護等の観点から、事実関係の一部を公表できない場合についても、自算会が意志決定した理由については、可能な限り具体的に被害者に伝えることとする。被害者に対する「意志決定理由の開示は、保険会社等を通じて行なわれる。

特定事案

①死亡無責等に係る意志決定システムの透明性の強化


「死亡事故で無責や重過失減額を行おうとするケース」「重傷事故で被害者から事故状況についての説明を受けることができないが、無責や重過失減額を適用するケース」を特定事案とする。

「特定事案」の審査は、自算会審理部内に設置する「自賠責保険有無責等審査会」において行なう。この審査会は審査の客観性を確保するために、日弁連推薦の弁護士が参加する。


②後遺障害等級認定困難事案に係る意志決定システムの透明性の強化

後遺障害等級認定については、「異議申し立てに対する自算会本部の審査に対し、さらに異議申し立てがなされたケース」「自賠責と労災で後遺障害の等級認定に相違があるケース」「加重障害(もともとあった障害が交通事故により悪化した場合)等の認定が困難な事案について異議申し立てがなされたケース」を「特定事案」とする。

特定事案の審査は自算会審理部に設置する「自賠責保険後遺障害審査会」において行なう。この審査会には、審査の客観性を確保するために、専門医の参加を認める。

2006年03月11日

自動車保険の自賠責の支払額をチェック!!

あなたのもらった自動車保険の自賠責保険の金額、まちがいはありませんか?

実は、以前の運輸省(現:国土交通省)の調査で、自賠責保険の支払額が足りなかった例が、平成8年・9年度の2年間で、なんと400件近くあったのです!

自賠責の支払額をチェック!!.jpg

生命保険会社にも、よく未払い・減少払い問題などがありますが、それと同じように、本来、加入者が、もらう権利のある金額を、損保会社が減少払いしていたのです。

これは、由々しき問題です。人間、誰にもまちがいはあるものですが、少なく払っていたのとは逆に、多く払っていた例は20件ほどしかありませんでした。

”払い渋り””出し渋り”と言われてもしょうがないような体質があるのかもしれませんが、私たち被保険者にとって大切なことは、何より「確認をすること」。

自動車保険の自賠責保険の支払いを受けたら、しっかり内訳をチェックしましょう!

相手のいない事故でも保険はおりる!

Q 相手のいない自分の車の単独事故の時は?

相手のいない事故でも保険はおりる!.JPG


A 例えばこんな場合です。

車には、運転者と助手席に友達が乗っています。
雨の日にスリップして、路肩へ車ごと落ちてしまいました。

この事故で、助手席の友人はケガをしてしまいました。

しかし、運転手は任意保険に入っていなかったので、何の保険も下りないと思い込んでいたのです。

もちろん、運転手はケガをした友人に治療費を払う申し出をしたのですが、運転手は車の修理費でも
大変でしょうし、それをふびんに思った友人は断ってしまいました。

相手の車のいない単独事故・・・でも、保険はおりるんです。

自賠責保険は人がケガをした時におりる保険です。車やバイクの同乗者のケガにも支払われるのです。

ただし、時効は2年です。事故に遭ったら、時効までに損害賠償の請求をしましょう。

高次脳機能障害の等級認定の基準

高次脳機能障害の等級認定の考え方について

高次脳機能障害の等級認定の基準.JPG


●第1級3号 
身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に、全面的介護を要するもの

●第2級3号
著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声かけや看視を欠かせないもの

●第3級3号
自宅周辺を1人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声かけや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労がまったくできないか、困難なもの

●第5級2号
単純なくり返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし、新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。

このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの

●第7級4号
般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから、一般人と同等の作業を行うことができないもの

●第9級10号
般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業継続力などに問題があるもの


ちなみに、高次脳機能障害の被害者請求権は、症状の固定日の翌日から2年、加害者請求権は、損害賠償金を支払った翌日から2年で時効になりますので、気をつけましょう。


高次脳機能障害の判断

高次脳機能障害の認定を受けるためには、頭部を撮影したレントゲン写真・CT・MRIなどの画像検査による資料が必要になります。これが重要な判断材料となるからです。

高次脳機能障害の判断.JPG


事故のすぐ後は、自分がまさか高次脳機能障害になろうとは思ってもいないですし、想像もしていない人が圧倒的だと思います。

しかし、現実にはこの高次脳機能障害で苦しんでいる人が多いのです。

自賠責保険の後遺障害の等級を査定・認定する、損害保険料率算出機構は、パンフレットの中でこう呼びかけています。「事故発生の直後から症状固定に至るまでの画像検査資料の提出をお願いします。」

こう書かれている以上、事故直後からの画像検査資料がないと、高次脳機能障害の認定が難しいということになります。

誰もが想像もしない高次脳機能障害ですが、事故に遭ったら、こうなる可能性もふまえ、早めに画像検査をしてもらい、資料をとっておきましょう。

高次脳機能障害の認定の請求に必要な書類は以下のとおりです。

保険金(共済金)・損害賠償額請求書
事故発生状況報告書
診断書(事故発生から治療終了まで)
後遺障害診断書(症状固定後)
診療報酬明細書
通院交通費明細書
交通事故証明書(人身)→自動車安全運転センターによるもの
頭部の画像検査資料(CT・MRIなど)
請求者の印鑑証明書

脳外傷による高次脳機能障害について

脳外傷による高次脳機能障害・・・あまり聞きなれない言葉かもしれません。

交通事故による負傷で一命をとりとめたものの、脳に外傷を受けたことによる日常生活に差し障りのある
障害に苦しめられている人も多くいるのです。

脳外傷による高次脳機能障害について.JPG


そのような方々のために、2001年1月に専門医などで構成されている、高次脳機能障害審査会が発足されました。特定事案として位置づけた上で、後遺障害等級の認定が行われます。

脳外傷による高次脳機能障害の主な症状や行動は、以下のとおりです。

記憶・記銘力障害・集中力障害・遂行機能障害・判断力低下等の認知障害・感情易変・不機嫌・攻撃性

暴言・暴力・幼稚・羞恥心の低下・多弁(饒舌)・自発性や活動性の低下、病的嫉妬・被害妄想等の人格

変化・半身の運動麻痺・起立や歩行の不安定などの神経症状・・・などです。


請求手続きは、被害者請求・加害者請求ともに一般的な後遺障害の場合と同じですので、医療機関と相談し、書類を揃えてください。

2006年03月10日

自賠責保険優先払いの念書とは

自賠責保険優先払いの念書”というものをつくっている保険者もあります。

どういうことかといいますと、立て替えて支払った治療費等を、自賠責保険を優先して返してほしい、ということです。

自賠責保険に請求をすれば確実に保険金が受け取れるので、この念書を使えばケガの限度額120万円は回収できるからです。

自賠責保険優先払いの念書とは.jpg
しかし、これには法的効力はありませんので、拒否することもできます。

国民健康保険や社会保険などの保険者が、事故の加害者の保険に、被害者の医療費の請求をして取り戻すことを、”求償”といいます。

この念書に捺印してしまうと、保険者の求償が優先されますので、被害者本人が自賠責に請求した時はケガの限度額が使われていて、受け取れないということもあるのです。

被害者がトクをするためには、特に加害者が任意保険に入っていないような時は、念書に捺印をせず、自分の慰謝料や休業損害を自賠責に請求して先にもらっておいた方がいいのです。

交通事故の被害者になった時の医療費

病気やケガの治療に国民健康保険や社会保険が使えるのはもちろんのこと、業務外で自動車事故のような第三者による事故の被害者になったときにも健康保険が使えます。

負傷原因届書.JPG


しかし、交通事故の被害者になった時の医療費は、本来、加害者が支払うもの。
そこで、被害者には一時立て替えて、後から健康保険から加害者に請求するしくみになっています。

保険者(健康保険)から加害者に請求すること、これを求償といいます。

病院から治療費の請求がくると、保険者はまず、どのような事故だったのか、仕事中かそれとも私か?相手や相手の自賠責保険や任意保険はどこか?など、被害者に確認してきます。

その時に健康保険(保険者)から送られてくるのが、負傷原因届書(第三者行為届け)です。
この書式は、労災、社会保険、健康保険により少し違いがあります。

書類の最後には”念書欄”というのがついています。
これは、保険者が被害者に支払った分は加害者に請求できない、しない、という内容です。

この念書を必ず提出しないと、治療費の支払いが止められる場合もありえます。

自賠責紛争処理機構への申請

自賠責紛争処理機構とは、自賠責保険の基本原則である被害者保護のために、被害者と保険会社の間で、やりとりがうまくいかなかったときに、第三者の視点で解決できるよう設けられた財団法人です。

紛争処理機構への申請.jpg

平成14年に自賠責法が改正された時に、指定紛争処理機関としてはじまりました。

自賠責保険の査定結果には、納得できない場合もあると思います。

異議申し立てのページでもお話しましたが、自賠責保険の査定機関である損害保険料率算出機構に、異議申し立てをする方法もありますが、(自賠責保険・共済)紛争処理機構へ紛争処理の申請をすることもできます。

申請できる人は、被害者本人とその家族や遺族、弁護士などの代理人です。

紛争処理申請書の用紙は取り寄せることもできますし、自賠責保険・共済紛争処理機構のホームページからダウンロードすることもできます。

用紙に必要項目を記載し、書ききれない場合は別紙も用意されています。
申請をしたら、後は書類審査されるだけなので、いかに充実した申請書を作るかがポイントです。


自賠責の査定に納得できなかったら

Q
自賠責の査定に納得できなかったら?

A
自賠責保険では、公平・適正な支払を行うために、損害保険料率算出機構 自賠責損害調査事務所に損害調査を依頼しています。

請求書類に基づいて、事故発生の状況・自賠責保険の対象となる事故かどうか・発生した損害の額などを公正かつ中立な立場で調査しています。

自賠責の査定に納得できなかったら.jpg

しかし、「支払額が少ない!」「被害者である家族は亡くなったのに、有責100となってしまって納得がいかない!」「後遺障害の等級が思ったより低すぎる!」など、自賠責の査定に納得できない場合もあると思います。

そんな時、保険会社を通して、損害保険料率算出機構の事務所に異議申し立てをすることができます。
書式は特に決まっていません。好きな紙に異議申し立てをする理由を書き連ねたもの、再調査して欲しい内容を書いたもの等、いろいろOKです。

自賠責の査定に納得できなかったら、具体的にその内容を書いて、あきらめず再査定してもらいましう。

自賠責保険の異議申し立て

Q
自賠責保険の異議申し立てしたい?

A
交通事故により身体の傷害を負ってしまい、自賠責保険に損害の請求をし、支払われるとします。

その支払われた金額に納得できなかったり、納得のいく後遺障害の等級にならなかったり、被害者側が亡くなっていて、相手に責任がないと判断された場合など、納得できないことも多々あると思います。

自賠責保険の異議申し立て


損害保険料率算出機構の調査結果に基づいて自賠責保険が支払われるわけですが、そんな時、損害保険料率算出機構の調査結果に納得できなかったら、異議申し立てをすることができるのです。

それによって、損害保険料率算出機構に再調査を依頼することができます。

異議申し立ての用紙は特に決まっていませんので、申立人の氏名・住所・事故発生日・自賠責証明書番号・受付番号(整理番号)・異議申し立ての内容を具体的に分かりやすく書き、保険会社に提出して
ください。

”後遺障害認定等級に対する異議申立書”という書類もあります。これは書く欄が小さいので、裏に書いてもOKですし、別紙を添付してもよいです。

異議申し立て書に添付する資料などがある場合は、それも一緒に提出することができます。

とにかく、書類の内容に不備がないことがポイントです。どのように納得できないのか、その理由は何なのか、具体的に書くようにしましょう。

相手が自賠責保険に入っていなかった時は


相手が自賠責保険に入っていなかった時は?


事故の相手が自賠責保険に入っていなかったり、ひき逃げなどで犯人が分からず、相手の保険で保障してもらえない悲しいケースがあります。

そのために、被害者が泣き寝入りをしないよう、自賠責によく似た政府の保障事業というのがあります。

自賠責と政府保障事業の違い.jpg

以下の点が、自賠責と政府保障事業の違いです。

自賠責と政府保障事業の違い 1】

自賠責では、被害者に7割以上の過失があったら100%は支払われません。
政府保障事業では、被害者の過失を5%単位でみて、過失相殺します。(政府保障事業の方が被害者の過失に厳しい、ということです。)

自賠責と政府保障事業の違い 2】
政府の保障事業では、治療費は、健康保険の単価(1点=10円)しか認められません。
自由診療してしまっても、健康保険に換算されてしまい、つまり約半分になってしまいます。
交通事故の治療に健康保険は使えます!健康保険を使いましょう。

自賠責と政府保障事業の違い 3】
健康保険や労災保険など、他の保障を受けていたら、その分は支払われる額からカットされます。
政府保障事業の保険金を受けたい場合は、他の保険は”後でもらう”が基本です。
他の保険を後でもらっても一緒ではないかと考えられるかもしれませんが、政府はいったん支払ったものは、被害者感情を逆なでするとし、返還請求をしてはきません。

自賠責と政府保障事業の違い 4】
時効があり、2年です。
時効中断の申請は認められません。ケガは事故の翌日から、死亡は死亡の翌日から、後遺障害はそれ以上よくならないと医師に判断された翌日から2年です。

自賠責と政府保障事業の違い 5】
政府の保障事業は異議申し立てができません。

自賠責と政府保障事業の違い 6】
政府の保障事業は請求から支払いまでの道のりが長いです。
自賠責が1カ月くらいなのに対し、だいたい半年から1年かかります。
また、支払金の内訳は教えてくれません。

自賠責と政府保障事業の違い 7】
自賠責と違い、仮払金や内払金の制度はありません。

ちなみに、政府の保障事業の財源は自賠責保険です。
自賠責保険料の0.5%を別会計とし、独自に管理しているのです。
    

自動車保険の等級認定と意義申し立て

自動車保険の後遺障害等級認定は、たいてい書類審査で行われます。

このため、提出する書類が勝負!です。
どんな障害が残っているのかを的確に医師に伝え、把握しておいてもらえなければ、提出書類も的確には書いてもらえません。

自動車保険の等級認定と意義申し立て.JPG


後遺障害の等級表を隅から隅までチェックし、自分が、または家族が何級の何号にあたるかを調べておきましょう。

もし納得のいかない認定をもらった時は意義申し立てをすればよいのです。

労災保険にも後遺障害の等級認定がありますが、こちらは医師が直接被害者を診察して判断を下します。

しかし、自賠責保険の後遺障害等級認定は書類審査のため、甘い判断をされがちです。
同じ被害者なのに、労災保険と自賠責の後遺障害の等級が違うことはよくあるのです。

ちなみに申立書と医師の診断書があれば、意義申し立ては何度でもできるのです。
納得のいくまで医師に正しい診断書を書いてもらいましょう。

追突なのに、100対0じゃない!?


追突なのに、100対0じゃない!?


自動車保険の過失割合は、どんなに自分は悪くないと思っていても、止まっている車にぶつけたのでなければ、過失は0にはならない、といわれています。

追突なのに、100対0じゃない!?.jpg


それは、たとえ相手の方が不利な理由があろうとも、お互い動いている車同士であるならば、被害者も注意不足ととられるからです。

信号待ちをしている車に、後ろからドーンとぶつけてしまった・・・。よくあるケースです。
こんな場合はたいてい’100対0’です。後ろからぶつけた方が100、ぶつけられた方が0というわけです。

”追突なのに、100対0じゃない!?” このような事故がありました。

走行中の車同士だったのですが、後ろから追突してしまった方が衝撃で亡くなり、追突された方は生き残りました。

当初、追突した方の脇見や注意不足ととられ、過失割合は100になり、亡くなられたのに自賠責保険は下りませんでした。

しかし、後日に新たな事実が分かったのです!

追突された方は、いきなり脇道から前へ出てきていたのです。つまり、追突してしまった方には避けがたかった事故といえます。

このため、過失割合は65対35になり、亡くなられた方の遺族には自賠責保険の死亡保険金が下りました。

自賠責だけで足りない時は?


自賠責だけで足りない時は?


自賠責保険以外に公的補助はないのでしょうか?

交通事故によって傷害を負い、後遺障害が出てきたら、後遺障害等級認定を受けます。
その等級に応じた賠償を受けるわけですが、決してそれだけでは十分とはいえません。

自賠責だけで足りない時は?.JPG


下記のとおり公的補助がいくつかあるので、自賠責だけで足りない時は、問い合わせてみてください。






○身体障害者手帳の申請

交通事故による後遺障害でも身体障害者手帳を受け取ることができます。
障害によって1級から7級までの等級に分けられています。

各種税金や旅客鉄道運賃、航空運賃、NHK受信料の割引、生活福祉資金の低利融資などいろいろな
援助制度がありますので、市区町村の福祉課や住民課に問い合わせてみましょう。


○国民年金・厚生年金の障害者年金の申請

国民年金・厚生年金には、周知のとおり65歳以上から受け取れる制度の他に、重い障害を負った時に、
障害者年金を受け取れるのをご存知でしたか?

後遺障害の認定は、それぞれの保険者が指定する指定医の診断が必要です。
国民年金は市区町村の年金課に、厚生年金は社会保険事務所に相談してみてください。


○労災の障害補償年金・独立行政法人”労働者健康福祉機構”の特別支給金(年金)

労災保険の適用になる仕事中の事故で、重度の後遺障害を負った時は、一時金、年金などがもらえることがあります。労働基準監督署に相談してみてください。


○自動車事故対策機構

ここでは、重い後遺障害者への介護手当の支給や、治療・養護を行う施設の運営をしています。
国土交通省が所轄する独立行政法人です。

そのほか、交通遺児に対する貸し付けや、後遺障害保険金の一部、また、政府の保障事業団からの保障金の一部を立替貸付してくれたり、さまざまな業務をしています。

全国50カ所に支所があるので、本部に問い合わせてみるとよいでしょう。

2006年03月09日

逸失利益の計算

逸失利益とは、もしも被害者が生きていたら、将来もらえるだろう収入の予測額のことです。
以下の計算式で逸失利益を出します。

逸失利益の計算.JPG


逸失利益=(収入額ー本人の生活費)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

収入額の基準は以下の3種類あり、被害者の年齢・職業により用いる基準が違います。

 ・死亡の1年前の実収入
 ・年齢別平均給与額(別表参照)
 ・全年齢平均給与額

全年齢平均給与額は、男子が41万5400円、女子が27万5100円と決まっています。

収入額からなぜ本人の生活費を差し引くかというと、それは本人が亡くなっているため、生活費がいらないからです。
しかし、生活費の証明は難しいので、以下のように決められます。

 ・被扶養者がいる場合 → 収入の35%が控除
 ・扶養者がいない場合 → 収入の50%が控除
 
ライプニッツ係数とは、将来、収入が予定される金銭から利息分を控除して現在価値に置き換えるための係数です。年5%で複利計算されます。


葬儀費と慰謝料の計算

交通事故によって被害者が亡くなった場合、自賠責保険では以下の3つに分けて計算をし、合計3000万円を限度に支払われます。

葬儀費と慰謝料の計算.JPG


①葬儀費 ②慰謝料 ③逸失利益

葬儀費は、60万円の定額が支払われます。それ以上の請求は、社会通念上必要で妥当だと認めれれれば、最高100万円まで認められます。ただし、定額を超える分については領収書等が必要です。

慰謝料は、本人慰謝料と遺族慰謝料に分けられ、本人慰謝料は亡くなっていても遺族が受け取ります。
遺族慰謝料は、慰謝料を受け取る遺族が何名いるかによって決められています。
1名の場合は、550万円、2名の場合は、まとめて650万円、3名以上の場合はまとめて750万円です。

遺族慰謝料の請求権のある人は、民法の法定相続人とほとんど同じですが、自賠責保険の場合、被害者の父母にも請求権が認められています。

被害者が家族を扶養していた場合は、遺族慰謝料に200万円が加算されます。

第三者機関による交通事故の相談窓口

第三者機関による交通事故の相談窓口には以下のようなものがあります。

(財)交通事故紛争処理センター

交通事故の被害者は、自動車損害賠償責任保険をはじめとする各種の保険制度により、一定の補償を受けることができます。しかし、被害者の多くの方々は、交通事故の賠償問題や保険についての知識がなかったり、交渉に不慣れだったりするために、交渉がスムーズに運べないことや妥当な賠償額を得られないこともあります。

第三者機関による交通事故の相談窓口.jpg


そこで、交通事故の当事者の利益の公正な保護のために、交通事故の紛争の処理に関する活動を行い、公共の福祉の増進に寄与することを目的として設置されました。

昭和49年に交通事故裁定委員会として発足し、従来の相談のみならず、和解のあっ旋までをも一歩進める機能をもちました。


(財)日弁連交通事故相談センター

日本弁護士連合会が1967年に設立した財団法人です。
自動車事故に関する損害賠償問題の適正で迅速な処理のために、全国で法律相談や示談あっせんなどの事業を行っています。


(財)自賠責保険・共済紛争処理機構

自賠責保険・自賠責共済から支払われる保険金・共済金等に関して発生した紛争を適確に解決するため、中立公正な判断を行う第三者機関として設けられました。
専門的な知識を有する紛争処理委員が中立公正な立場で審査を行います。


後遺障害の場合の自賠責保険の金額

後遺障害の場合の自賠責保険の金額

<介護を要しない場合>

後遺障害の場合.JPG


●後遺障害による逸失利益 → (収入額×労働能力喪失率)×ライプニッツ係数  
●後遺障害による慰謝料  → 32~1100万円(等級別)どちらも3000万円が限度額です。


<介護を要する場合>

●後遺障害による逸失利益 → (収入額×労働能力喪失率)×ライプニッツ係数 限度額3000万円
●後遺障害による慰謝料  → 初期費用500万円、慰謝料1000万円、限度額4000万円

ライプニッツ係数とは、将来、収入または支出が予定される金銭から利息分を控除して現在価値に置き換えるための係数のことをいいます。複利計算されます。

後遺障害第1級~第3級の場合で、被扶養者がいる場合は、慰謝料が増額されます。

自賠責保険の死亡の場合の金額

自賠責保険の死亡時の支払限度額は3000万円です。

死亡の場合の自賠責保険の金額


●葬祭費 → 60~100万円
●死亡による逸失利益 → (収入額ー本人生活費)×ライプニッツ係数
●死亡本人の慰謝料  → 350万円
●遺族の慰謝料  → 1名550万円、2名650万円、3名750万円、被扶養者がいる時は200万円を加算
●傷害による死亡までの損害 → 傷害と同じ

ライプニッツ係数とは、将来、収入または支出が予定される金銭から利息分を控除して現在価値に置換えるための係数のことをいいます。

複利計算になります。

自賠責保険の傷害(ケガ)の場合の金額

傷害(ケガ)の自賠責保険の金額支払限度額は、120万円です。

傷害(ケガ)の場合の自賠責保険の金額支払限度額


治療費など実費になります。

●看護料 看護婦・家政婦料  → 規定の料金
●近親者の入院看護 → 入院1日4100円、通院1日2050円、入院・通院とも医師の証明書が必要です。
●付添費 → 幼児・歩行困難者の通院に付き添った時または医師の指示で自宅看護をした時
●入院中の諸雑費 → 1日1100円
●通院または自宅療養中の諸雑費 → 実費
●休業損害     → 1日5700~19000円
●傷害慰謝料   → 1日4200円

任意の自動車保険の示談交渉サービス

最近の任意の自動車保険には示談交渉サービスがついているものが多いです。

これは、人身事故によって加害者に50%以上の過失があると認められる場合や、賠償額が自賠責保険の限度額を超えることが明らかな場合に、加害者側の任意保険の会社が自賠責保険の分も含めて、被害者との示談交渉を行うものです。

任意の自動車保険の示談交渉サービス.jpg


このサービスのついた任意自動車保険に加入していると、被害者と直接話し合う必要はないということです。

こうして自賠責保険の分と任意保険の分をまとめて払うことを、「一括払い」といいます。

被害者への賠償金を支払ったら、任意保険は自賠責保険から保険金を受け取り、立て替えてあった分を
回収するという具合です。

しかし、示談交渉を任意の自動車保険会社に任せたままで、事故の加害者本人は謝罪にも見舞いにも
来ない!と、被害者感情を逆なでしていることも現実です。

加害者には道義的責任というものがあります。謝罪は加害者にしかできないのです。
菓子折りでも持って、誠意ある謝罪をすることが大切です。

自動車事故の示談と調停と訴訟

示談調停訴訟・・・この3つは自動車事故を起こした時の民事的な解決のための方法です。

自動車事故の示談は、当事者同士が話し合って支払う額を決め、示談書を取り交わし、解決する方法です。

自動車事故の示談と調停と訴訟


たいていはこの示談で解決されます。
しかし、相手がこの内容を守らなさそうな時は、お互いに公証役場へ行って、公正証書で示談すればいいでしょう。

これには公的な効力がありますので安心です。
公正証書には実印と印鑑証明書が必要になります。

調停は、示談でまとまらなかった場合に簡易裁判所に申請して行うものです。
調停委員と当事者が一緒に話し合います。裁判官の指示のもとなので、裁判より負担も少なく、解決もしやすいでしょう。

費用も裁判より少なく済みますし、そんなに日数もかかりません。

訴訟は、最終的な手段です。
ほとんどの場合、弁護士に依頼するために費用もかかりますし、解決までは日数もかかります。


和解か判決か、ということになりますが、最強の効力ということになるでしょう。

仕事中の事故なら労災保険を!

交通事故が仕事中や通勤途中に起こったものであれば、労災保険が使えます。

”労働者災害補填法”という法律にのっとって作られ、慰謝料の支払いこそないものの、自賠責とほとんど同じように支払われます。

仕事中の事故なら労災保険を!.jpg

労災保険の1点あたりの単価は12円です。
しかし、被保険者は病院の窓口で治療費の支払いをする必要はありません。
これが健康保険なら3割の負担になります。

ただ、企業によっては労災を使いたがらないところもあります。
以後の労災保険料の会社負担が上がると思ったり、労働監督署に厳しく言われると思うからです。
しっかり会社の管理者なり経営者と話し合い、労災を使うことを理解してもらうことです。

労災が使えることが決定したら、病院に返事をしましょう。

労災と健康保険、自由診療ではそれぞれ単価が違います。
なので、診療報酬明細書も違ってくるのです。

交通事故治療に医者から自由診療を勧められたら?


交通事故治療に医者から自由診療を勧められたら?


病院にとっては自由診療の方がおトクなので、交通事故による治療には自由診療を勧めてきます。

しかし、自由診療と健康保険診療のどちらにするかは患者に決める権利があるのです。
だって、健康保険の被保険者は、日ごろ保険料を払っているのですから。

医者から自由診療を勧められたら?.jpg


それでも、言いにくい・・・という場合もあると思います。そんな時はこう言いましょう。

「自賠責保険の範囲内でしか賠償が受けられないので、できるだけ治療費を抑えたいのです。       私の過失が大きいので、加害者の任意保険からは出そうにないのです・・・」

もし、こう言っても分かってもらえない時は、都道府県の保険課へ相談してください。
保険課からは病院に交通事故による治療は健康保険が使えますよ、という文書が届くのです。

それでもまだ健康保険による診療を拒否するような病院だったら、早めに良心的な病院へ移ったほうが、良さそうです。

交通事故の治療費は、なぜ自由診療より健康保険診療がいいの?


交通事故の治療費は、なぜ自由診療より健康保険診療がいいの?



健康保険による交通事故の治療費と、自由診療による交通事故の治療費は、その単価が違います。

健康保険の医療単価は1点が10円と決められていますが、自由診療は病院ごとに単価を決めてよいことになっているのです。

自由診療の新基準である「自賠責基準」を使う病院もありますが、たいがいは1点あたり約20円で、健康保険の倍額になるのです!

なぜ自由診療より健康保険がいいの?.jpg


かかった費用を加害者が負担してくれるときは問題ありませんが、加害者が任意保険に入っていなかったり、被害者の過失が大きかった場合は大問題です。

加害者の任意保険から支払われなかったら、ケガの保障は自賠責保険の限度額の120万円まで、ということになってしまうのです。

たとえば、交通事故の治療をして、10万点分の点数になったとします。
健康保険診療なら1点あたり10円ですから、100万円になります。

一方、自由診療では仮に1点を20円だとすると、200万円になります。
つまり、自賠責保険のケガの限度額の120万円を超えてしまいます。
この超えた分は、任意保険からも支払いされなければ、差額の80万円は自分もちになります。

健康保険診療の方は100万円ですから、まだ限度額の120万円までは20万円の余地があります。
この分は休業損害を請求したりできるのです。

交通事故に健康保険は使える!-自賠責請求のスタートー

治療費の請求先を決めることは、大切な自賠責保険請求のスタートです。

「交通事故による治療には健康保険は使えません」と病院に言われたり、自分でもそう思い込んでいて、
9割の人が自由診療で治療をしているようです。

でも、知られていないだけで健康保険は使えるんです。

交通事故に健康保険は使える!.jpg

自賠責保険のケガの補償額は最高で120万円です。
一見、安くないように見えても、実際に交通事故の治療を受けてみると、120万円は微々たるものです。

脳挫傷などにより集中治療室に入ったりすると、ひと晩で200万、300万の治療費を請求されるケースは
ざらにあるのです。

自賠責保険で足りない分は任意保険に払ってもらえばいいと思うかもしれませんが、被害者の過失が大きいときは、自賠責保険すら出ませんし、加害者が任意保険に入っていなかったら、治療費は全額自分の負担なのです。とんでもありませんね。

医者から、「治療費はどこへ請求しますか?」と聞かれたら、まず、労災保険は使えるかどうかを考えて
ください。

仕事中や通勤中だったら労災保険が使えます。
そうでなければ、健康保険を使います。

不労所得で生活している人は

Q
不労所得で生活している人は保険はどうなるの?



不労所得は逸失利益に認められないと自動車保険会社に言われた時はどうでしょうか?

不労所得と自動車保険

【注釈】
逸失利益とは、被害者の労働の対価としての収入に関するものです。
ですので、地代・家賃収入や金利などの不労所得は、逸失利益の対象にはなりません。




例えばこのような例があります。

私の父は60歳で、交通事故で亡くなりました。
父はビルやアパートなどを所有し、テナント貸しなど、その家賃と地代だけで生活していました。
不労所得で生活していたので逸失利益は認められないと自動車保険会社に言われてしまったのですが、本当ですか?

この場合、自動車保険会社の言い分が正しいことになります。

労働の対価としての収入は、労働をしていた被害者が、交通事故のために仕事を休むと収入が減少したり、もし亡くなれば収入が途絶えてしまう訳ですから、そこで損害が発生しますが、地代・家賃収入や金利の場合は、被害者がいなくなっても、その相続人が権利を相続し、働かなくても以前と同じ収入を得られるからです。
   
ただ、地代・家賃の場合は、土地家屋の所有者が地代・家賃の徴収やその他の管理業務を自ら行っていたとするならば、それは労働になるわけですから、その対価としての休業損害や逸失利益が認められる余地はあります。

しかし、余地があるとされても、地代・家賃収入の全部ということではなく、ごくごく限られた金額になるでしょう。

自動車保険会社に任せが示談が進まない


自動車保険会社に任せが示談が進まない


自動車保険の会社に任せが示談が進まない場合はどうでしょうか?

交通事故を起こして相手にケガを負わせました。
私は任意保険をかけているので、被害者との示談交渉は自動車保険会社に任せていますが、なかなか話がつきません。どうしたらいいのでしょうか?

といったケースです。

自動車保険会社に任せた示談が進まない.jpg


これは、任意保険に示談代行サービスがついているために、被害者との交渉は直接任意会社の担当員がするケースで、最近の任意の自動車保険には多いサービスです。
   
加害者にとっては、被害者と顔を合わせなくていいので都合のいいシステムですが、被害者にとっては相手の誠意が感じられず、気分を害してしまうこともあります。

こんな両者の温度差が話し合いがうまく進まない原因です。

また、自動車保険会社としては支払う保険金は少しでも減らしたいわけですから、支払金額をなるべく少なめに提示するということも理由にあります。

こんな場合は、交通事故相談所などで適正な賠償額を教えてもらうのもいいでしょう。

加害者は保険の担当員に任せきりにせず、菓子折りでも持って、自動車保険会社の担当員と一緒に被害者の家で出向くなど、誠意を尽くすことが大事です。


  
   

任意保険はあるが、自賠責が期限切れの場合


任意保険はあるが、自賠責が期限切れの場合はどうなるのでしょうか?


事故の相手は任意保険には入っていたものの、自賠責保険が期限切れだったのです。
かけてないのと一緒ですよね。こんな時は任意保険しかもらえないのでしょうか?

といったケースです。


このように自賠責保険の期限が切れて、入ってないのと同じになってしまっているケースもあります。
この場合は自賠責法72条が適用となります。
  
自賠責保険が無保険になっている場合は、最後の保障手段として政府保障事業というのがあります。これは、自賠責すらの保障も受けられない被害者のためにあるものです。

なので、任意保険から先にもらったり、健康保険を使ったり、先に加害者から治療費や示談金などのお金をもらわないようにしましょう。

まず最初に政府保障事業に請求をするのです。
いったんお金をもらってしまったら、その後に任意保険をもらおうとも政府は賠償金の返還を要求はしてこないでしょう。

2006年03月08日

自賠責の方がおトクなケース

Q
自賠責の方がおトクなケースとは・・・



交通事故に遭い、自賠責保険からケガの限度額の120万円をもらいました。
あと、60万円くらいは賠償金をもらいたいので任意保険の会社にかけ合いましたが、私の過失が4割あるので自賠責だけで十分だと言われてしまいました。

任意だといくらになっているのでしょう? というケースです。

自賠責の方がおトクなケース.jpg


この場合、120万円に希望の60万円を足したとして180万円になります。そこから4割の過失相殺されれば108万円になってしまいます。自賠責の120万円と比べると少ないです。

このような場合は自賠責の方がおトクだといえます。

基本的に自賠責保険では、被害者に重大な過失がない限り、過失相殺=減額はされません。

6割に以下の過失の時には減額せず、7割で2割の相殺、8割で3割の相殺、9割で5割の相殺をされることになっています。

ただし、被害者の過失が10割で、加害者が何も悪くない場合は、自賠責保険は支払われません。

後遺障害等級表

下記は後遺障害等級表です。

①視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異状のあるものについては、矯正視力について測定する。

②手指を失ったものとは、おや指は指関節、その他の手指は第一指関節以上を失ったものをいう。

後遺障害等級表・備考.JPG


③手指の用を廃したものとは、手指の末節の半分以上を失い、又は中手節指関節若しくは第一指関節
(おや指にあっては、関節)に著しい運動障害を残すものをいう。

④足指を失ったものとは、その全部を失ったもの。

⑤足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節の半分以上、その他の足指は末関節以上を失ったもの、又は中足指節関節若しくは第一指関節(第一の足指にあっては、指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。

⑥各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級
の後遺障害とする。

⑦身体障害が2以上あるときは、重い方の身体障害の該当する等級による。
しかし、下記に掲げる場合においては等級を次のとおり繰り上げる。

a.介護を要しない第13級以上に該当する身体障害が2以上あるときは、重い方の身体障害1級を繰り上げる。
ただし、それぞれの後遺障害に該当する保険(共済)金額の合計額が繰り上げ後の後遺障害の保険(共済)金額を下回るときは前記合算額を採用する。

b.介護を要しない第8級以上に該当する身体障害が2以上あるときは、重い方の身体障害2級を繰り上げる。

c.介護を要しない第5級以上に該当する身体障害が2以上あるときは、重い方の身体障害3級を繰り上げる。

⑧既に身体障害のあったものがさらに同一部位について障害の程度を加重したときは、加重後の等級に応ずる保険(共済)金額から既にあった障害の等級に応ずる保険(共済)金額を控除した金額を保険(共済)金額とする。

自動車保険の新・後遺障害等級 第13級 第14級

自動車保険の新・後遺障害等級 第13級について 

①1眼の視力が0.6以下になったもの
②1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

新・後遺障害等級 第13級 第14級.JPG


③両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
④5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
⑤1手のこ指を失ったもの後遺障害
⑥1手のおや指の指骨の一部を失ったもの
⑦1手のひとさし指の指骨の一部を失ったもの
⑧1手のひとさし指の末関節を屈伸することができなくなったもの
⑨1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
⑩1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
⑪1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下  の3の足指の用を廃したもの                  
                                                  保険金額139万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第14級について

①1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
②3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
③1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
④上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
⑤下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
⑥1手のこ指の用を廃したもの
⑦1手のおや指及びひとさし指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
⑧1手のおや指及びひとさし指以外の手指の末関節を屈伸することができなくなったもの
⑨1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
⑩局部に神経症状を残すもの
⑪男子の外貌に醜状を残すもの
                                                  保険金額75万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第11級 第12級

自動車保険の新・後遺障害等級 第11級について

①両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
②両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

自動車保険の新・後遺障害等級 第11級 第12級


③1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
④10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
⑤両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
⑥1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
⑦脊柱に奇形を残すもの
⑧1手のなか指又はくすり指を失ったもの
⑨1手のひとさし指の用を廃したもの又はおや指及びひとさし指以外の2の手指の用を廃したもの
⑩1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
⑪胸腹部臓器に障害を残すもの                              保険金額331万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第12級について

①1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
②1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
③7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
④1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
⑤鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい奇形を残すもの
⑥1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
⑦1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
⑧長管骨に奇形を残すもの
⑨1手のなか指又はくすり指の用を廃したもの
⑩1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指
  を失ったもの
⑪1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
⑫局部に頑固な神経症状を残すもの
⑬男子の外貌に著しい醜状を残すもの
⑭女子の外貌に醜状を残すもの                              保険金額224万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第9級 第10級

自動車保険の新・後遺障害等級 第9級について

①両眼の視力が0.6以下になったもの
②1眼の視力が0.06以下になったもの

自動車保険の新・後遺障害等級 第9級 第10級.JPG


③両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
④両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
⑤鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
⑥咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
⑦両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
⑧1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上 の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
⑨1耳の聴力を全く失ったもの
⑩神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
⑪胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
⑫1手のおや指を失ったもの、ひとさし指を含み2の手指を失ったもの又はおや指及びひとさし指以外3の
 手指を失ったもの
⑬1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの
⑭1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
⑮1足の足指の全部の用を廃したもの
⑯生殖器に著しい障害を残すもの                             保険金額616万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第10級について

①1眼の視力が0.1以下になったもの
②咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
③14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
④両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
⑤1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
⑥1手のひとさし指を失ったもの又はおや指及びひとさし指以外の2の手指を失ったもの
⑦1手のおや指の用を廃したもの、ひとさし指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指及びひとさし
  指以外の3の手指の用を廃したもの
⑧1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
⑨1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
⑩1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
⑪1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの            保険金額461万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第7級 第8級

自動車保険の新・後遺障害等級 第7級について

①1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
②両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
③1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない度 になったもの

自動車保険の新・後遺障害等級 第7級 第8級


④神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
⑤胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
⑥1手のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を含み3以上の手指を失ったも の
⑦1手の5の手指又はおや指及びひとさし指を含み4の手指の用を廃したもの
⑧1足をリスフラン関節以上で失ったもの
⑨1上肢を仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの
⑩1下肢を仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの
⑪両足の足指の全部の用を廃したもの
⑫女子の外貌に著しい醜状を残すもの
⑬両側の睾丸を失ったもの                                保険金額1051万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第8級について

①1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
②脊柱に運動障害を残すもの
③1手のおや指を含み2の手指を失ったもの
④1手のおや指及びひとさし指又はおや指若しくはひとさし指を含み3以上の手指の用を廃したもの
⑤1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
⑥1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
⑦1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
⑧1上肢に仮関節を残すもの
⑨1下肢に仮関節を残すもの
⑩1足の足指の全部を失ったもの
⑪脾臓又は1側の腎臓を失ったもの                           保険金額819万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第5級 第6級

自動車保険の新・後遺障害等級 第5級について

①1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
②神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができない  もの

自動車保険の新・後遺障害等級 第5級 第6級.JPG


③胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
④1上肢を腕関節以上で失ったもの   
⑤1下肢を足関節以上で失ったもの
⑥1上肢の用を全廃したもの
⑦1下肢の用を全廃したもの
⑧両足の足指を全部失ったもの
                  
                                                保険金額1574万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第6級について

①両眼の視力が0.1以下になったもの
②咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
③両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
④1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話し声を解することが
  できない程度になったもの
⑤脊柱に著しい奇形又は運動障害を残すもの
⑥1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
⑦1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
⑧1手の5の手指又はおや指及びひとさし指を含み4の手指を失ったもの

                                                 保険金額1296万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第3級 第4級

自動車保険の新・後遺障害等級 第3級について

①1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
②咀嚼又は言語の機能を廃したもの

自動車保険の新・後遺障害等級 第3級 第4級


③神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
④胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
⑤両手の手指の全部を失ったもの                            保険金額2219万円


自動車保険の新・後遺障害等級 第4級について

①両眼の視力が0.06以下になったもの
②咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
③両耳の聴力を全く失ったもの
④1上肢をひじ関節以上で失ったもの
⑤1下肢をひざ関節以上で失ったもの
⑥両手の手指の全部の用を廃したもの
⑦両足をリスフラン関節以上で失ったもの                        保険金額1889万円

自動車保険の新・後遺障害等級 第1級 第2級

自動車保険の新・後遺障害等級 第1級について

①両眼が失明したもの
②咀嚼及び言語の機能を廃したもの

自動車保険の新・後遺障害等級 第1級 第2級.JPG


③両上肢をひじ関節以上で失ったもの
④両上肢の用を全廃したもの
⑤両下肢をひざ関節以上で失ったもの
⑥両下肢の用を全廃したもの       

保険金額 3000万円



自動車保険の新・後遺障害等級 第2級について

①1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になたtもの
②両眼の視力が0.02以下になったもの
③両上肢を腕関節以上で失ったもの
④両下肢を足関節以上で失ったもの   保険金額 2590万円

介護が必要な重い後遺障害は?

交通事故により重度な後遺障害を受けた人は、多くの場合、介護を必要とします。
2002年4月に自賠責保険の支払基準の改定が行われましたが、重度の後遺障害を負った人に支払われる保険金の限度額が大幅に引き上げられたのです。

介護が必要な重い後遺障害は?.JPG


後遺障害等級の1級2級を別扱いにし、下記のように分けられました。

介護を要する後遺障害

第1級第1号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの どちらも4000万円

第2級第1号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの どちらも3000万円


後遺障害
 
第1級第1号~第6号 従来の第3号と第4号が上記介護を要する第1級に移ることにより、従来の第5号
第6号、第7号、第8号が、新しい第3号、第4号、第5号、第6号にそれぞれ繰り上がる。  

3000万円

第2級第1号~第4号 従来の第3号と第4号が上記介護を要する第2級に移ることにより、従来の第5号、第6号が、新しい第3号、第4号にそれぞれ繰り上がる。

2590万円

第3級~第14級 改定なし
2590~75万円


    

2006年03月07日

慰謝料と保険金

後遺障害の損害で賠償されるのは、逸失利益と慰謝料の合計になります。
また、下記のように後遺障害は等級別に慰謝料と支払限度額が決められています。

慰謝料と保険金


●慰謝料

第1級1100万円 第2級958万円 第3級829万円 第4級712万円 第5級599万円 第6級498万円
第7級409万円 第8級324万円 第9級245万円 第10級187万円 第11級135万円 第12級93万円
第13級57万円 第14級32万円

注意:被扶養者がいる場合は、また金額が違ってきます。

●保険金の支払限度額

第1級3000万円 第2級2590万円 第3級2219万円 第4級1889万円 第5級1574万円 
第6級1296万円 第7級1051万円 第8級819万円 第9級616万円 第10級461万円 第11級331万円第12級224万円 第13級139万円 第14級75万円

注意:ただし、介護が必要ない場合です。

逸失利益とは

逸失利益とは、後遺障害を負ってしまったことにより、交通事故の前のように働けなくなったり、そのために収入が失われた利益のことです。

交通事故による逸失利益の計算


以下のような式に当てはめて計算をします。

逸失利益=収入額×労働能力喪失率×後遺障害確定時の年齢に対するライプニッツ係数

収入額は、被害者の年齢や職業によって用いる基準がちがってきますが、以下の3種類あります。

 ・ 死亡の1年前の実収入
 ・ 年齢別平均給与額
 ・ 前年例平均給与額(男子は41万5400円、女子は27万5100円)


労働能力喪失率とは、後遺障害により労働能力が低下するため、1級から14級までの等級に分かれいます。

1~3級までは全く仕事ができないものとみなされ、14級になりますと5%なので、労働能力の喪失率は低いものとみなされます。

将来、収入または支出が予定される金銭から利息分を控除して現在価値に置き換えるための係数をライプニッツ係数といいます。

年5%の利息を複利で差し引きます。


保険金の後遺障害の等級認定について

後遺障害とは、治療を続けてもこれ以上の回復の見込みはないと医学上判断され、永久的に精神や肉体が元にもどらず、日常生活に支障のでる状態のことをいいます。

半身不随や失明、四肢の不自由などさまざまです。一瞬の事故が人をこのような状態に追い込んでしまい、その人の運命を大きく左右してしまうケースは決して珍しいものではありません。

自賠責保険では、支払限度額が120万円の傷害保険金とは別に、後遺障害保険金を支払うことになっています。これは傷害を等級別に分け、それに応じて支払われます。

後遺障害の等級は1級から14級まで分かれており、数字が少なくなるにつれ、軽くなっていきます。
1級の保険金支払限度額は4000万円で、14級の保険金限度額は75万円です。

後遺障害の等級認定について.JPG


医師の診断書をもとに損害保険料率算出機構の調査事務所で認定され、それをもとに保険会社が等級に応じた保険金を支払うしくみです。

ほとんどが書類審査だけなので、最初の医師の診断書が勝負です。
自分の障害の程度をなるべく詳しく、的確に医師に書いてもらうようにしましょう。

自賠責保険を請求する書類の準備

自賠責保険を請求する際は、まずしなければならないことは、加害者がどこで自賠責保険をかけているか調べることです。

交通事故証明書を見て、会社名と証明書番号を確認してください。

自賠責保険を請求する書類の準備.JPG


自賠責保険の請求書類は、各保険会社や代理店、共済組合などで無料でもらえます。
これは、自賠責保険金請求のご案内という冊子と一緒になっています。

電話で問い合わせると、郵送もしてくれるでしょう。

自賠責保険の請求書類に各項目の記入をし、診断書などの必要な書類と一緒に請求先に提出します。

郵送でもかまいませんが、大切な書類なので書留にしましょう。
普通郵便だと、郵便事故で書類が紛失してしまうことも、ままあるのです。

また、交通事故証明書、診断書、レセプトは原本証明をしてもらいましょう。必要な枚数をコピーしてもらい、「原本の写しに相違ありません」 というハンコを捺してもらえれば、他の傷害保険などの請求に、その書類を原本として使うことができます。

病院の診断書は最低でも3000円はかかります。コピーをしてもらうと、その分を節約できます。

請求書を受け取った自動車保険会社は内容を確認し、不備がなければ損害保険料算出機構の調査事務所へ送ってくれます。

支払金額は、その調査事務所が計算をします。

自賠責保険の請求から支払いまで

自賠責保険の支払いまでの事務は、基本的に損害保険会社によって行われますが、損害の請求から支払いまでの流れを簡単に説明すると、次のようになります。

自賠責保険の請求から支払いまで


(1) 請求者は、損害保険会社等へ自賠責保険への請求書類を提出します。

(2) 損害保険会社等では、請求者から提出された自賠責保険の請求書類を確認して、損害保険料率算出機構(以下「損保料率機構」といいます。)の調査事務所に送付します。

(3) 調査事務所においては、事故の発生状況、支払の的確性(自賠責保険の対象となる事故かどうか、また、傷害と事故の因果関係など)及び発生した損害額などを公正かつ中立の立場で調査を行います。

(4) 特に慎重かつ客観的な判断を必要とする事案は「特定事案」として、損保料率機構本部に設置された自賠責保険審査会で審査することとしています。

(5) 損保料率機構調査事務所は、損害保険会社等に調査結果を報告します。

(6) 損害保険会社等は、支払額を決定し、請求者に自賠責保険金を支払います。

自賠責保険の請求に必要な書類

自賠責保険の請求には以下のようにさまざまな書類が必要になってきます。

自動車保険の請求に必要な書類


 1.自賠責保険金支払請求書 → 自分で書く。
 2.交通事故証明書 → 警察に書いてもらう。
 3.事故発生状況報告書 → 警察に書いてもらう。
 4.診断書 → 診察した医師に書いてもらう。
 5.診療報酬明細書 → 病院からもらう。
 6.印鑑証明書 → 役所からもらう。

また、加害者なのか被害者なのかによっても必要な書類は違ってきますし、傷害事故か死亡事故かに
よっても、また成人か未成年かによっても請求書が違ってきます。

請求用紙の一式は、自分の加入している自賠責保険の窓口にいけばもらえます。
まずは、問い合わせてみましょう。頼めば郵送もしてくれます。

2006年03月06日

交通事故後に気をつけること

交通事故を起こしてしまったら、まずはケガ人の救護、警察への通報をします。
検証が終わったら、自分の任意保険の会社への事故報告を忘れずに入れることが大切です。

事故後に気をつけること


保険証券をみれば、代理店や営業所、サービスセンターに24時間フリーダイヤルなど、事故が起こったときの連絡先が書いてあります。

自分が被害者で歩行者や自転車の場合は、相手の車が任意保険に入っているかどうかを確認し、早く連絡をとってもらうようにしましょう。

交通事故直後は、気がはっていて意外と身体の不調に気づかないものですが、数日するとあちこちの不調がでてくるものです。

4~5日以内に診断書を出せば人身事故に切り替えてもらえますので、早めの診察、早めの手続きが肝心です。

明らかに自分の過失で事故が起こり、相手がケガをしている場合は、早めに誠意をもってお見舞いにいきましょう!重大事故の刑事裁判ではよくあることですが、裁判官が「保険以外に個人ではいくら損害賠償をしたか?」と聞くことがあります。

あくまで目安ですが、100万円以上支払っていれば誠意を尽くしたと判断されることもあるようです。

損害賠償の方法

民法722条1頁と417条により、損害賠償の方法は金銭で行うとされています。

交通事故が起こり、当事者同士がもめた場合に、車を破損されられた方が新車で返すよう要求したりいうトラブルもありますが、基本的に損害賠償の方法は金銭で行うとされていますので、新車の引渡しを要求することはできません。

損害賠償の方法


また、精神的な損害も金銭評価されて損害賠償されます。

損害額はその全部において一括して支払われるというのが原則です。
しかし、最近は遺失利益をめぐって定期金賠償は可か否か?ということが問題とされています。

判例では、定期金賠償を認めたものもありますが、長期間にわたって支払いをしなければならず、資金的や事務的な面での制度を完備しないと、途中で支払いが止まってしまう、など被害者に不利になるおそれがあり、現在では定期金賠償は減ってきました。

平成10年1月1日から施行された新民事訴訟法には、117条の定期金賠償に関する規定が盛り込まれました。

むち打ち症になったら?

むち打ち症とは、自動車が急に止まったり、追突されたりした時の急激な衝撃のために、頚部周辺の軟部組織に損傷を受けることによって生じた様々な病態のことをいいます。

むち打ちになったら?.JPG


症状は人によって様々ですが、代表的なものは首筋から肩にかけてのこりや腫れ、吐き気、頭痛、疼痛、しびれ、めまい、耳鳴りなどがあります。

首の骨の周りには、脳と身体をつなぐ神経や血管がびっしりと通っています。これらが断裂したり圧迫されたりすることによって、様々な症状を発生させているといわれています。

むち打ち症の病態は、レントゲン検査や脳波検査などの他覚的症状には現れづらく、自覚症状のみがほとんどです。そのため、むち打ちほどやっかいなものはないといわれています。

現在の医学ではまだ十分に解明されておらず、治療が長期にわたる例も多いですが、一般的には、6か月以内で大半のものが治るといわれています。

それでも治らない場合は、後遺障害の認定をされます。

過剰で高額な診療費用は?


過剰で高額な診療費用は?



医師が治療の必要がないと考えているにもかかわらず、患者(被害者)の勝手な判断で転院したり、治療を続けた場合は、不必要な転院による費用として、事故と因果関係のないものとされ、認められません。

過剰で高額な診療費用は?.JPG


しかし、医師の側が通常より過剰で不必要な診療をした結果、医療費がはねあがってしまう、という場合はどうなるでしょう?

中には、ただ収入を上げる目的で、必要のない治療行為をして通常より著しく高い治療費を請求する医師もいるのです。

過剰な診療とは、その受傷状態からみて、医学的必要性かつ合理性がなく、不必要と認められる治療のことです。

高額診療とは、診療に対する費用が特別の事情がないにもかかわらず、社会一般的な診療費の水準からみて著しく高額な場合の診療のことをいいます。

今までの判例からみると、だいたい健康保険基準の2倍の診療費が目安になります。

交通事故の被害者が自殺したら


交通事故の被害者が自殺したら



交通事故に遭遇し、傷害の度合いが重いため、完治するに至らず、治療中や、或いは、症状固定後に後遺症障害を苦にして被害者が自殺される場合について考えます。


このような場合、治療中と後遺症障害とでは考え方も異なるはずですが、いずれにしても、交通事故での障害を苦にして自殺に至った場合に加害者に対して損害賠償請求が可能か否かが問題になります。

まず、問題点は、交通事故と死に至った因果関係が認められるのかどうかということです。

従来の裁判例では、交通事故と自殺との間には、相当因果関係がないとか或いは予見不可能等の
理由により、加害者の責任を否定する傾向が強くありました。

しかし、近時では、被害者が自殺するに至るまでの経緯を総合的に解釈し、加害者の責任を肯定する
傾向が強くなってきております。

なお、判例により交通事故との因果関係が認められた例は、東京地裁八王子支部昭和49年3月28日
判決の、左目失明・頭痛・視力減弱・右下肢の運動障害・大小便失禁んどの後遺症による苦痛が原因で将来を悲観し、自殺された例があります。

交通事故の前に持病がある場合


交通事故の前に持病がある場合は?



最近の判例では、因果関係を割合的に認定して、具体的に妥当な結果となるように配慮されています。

交通事故の被害者が持病をもっていた場合、事故の後にでてきた身体の異常が事故によるものなのかどうか、それとももともとの持病による結果なのかは、問題となるところです。

交通事故の前に持病がある場合

以下の例をみていきましょう。

●東京地裁昭和46年11月30日判決

被害者はもともと動脈硬化と高血圧の症状をもっていました。
事故の直後に脳卒中となったのですが、事故の相当因果は、50%であるとされました。

●福岡地裁昭和52年11月14日判決

被害者はもともと潜在的または顕在的既往症として強度のノイローゼがありました。
事故によって頚椎を捻挫してしまい、頭痛、吐き気などの症状を訴えられましたが、事故の相当因果は50%であるとされました。

しかし、これらのような因果関係を割合的に認める考え方については、反対説も多くあります。

交通事故の後に余病がでたら?

Q
交通事故の後に余病がでたら?

A
交通事故による傷害とそれに併発して起こる余病の関連性ですが、裁判で認められれば損害賠償されます。以下のようなケースです。

交通事故の後に余病がでたら


●大阪地裁昭和45年5月9日判決

頭蓋骨骨折と左下肢座滅創の治療中に血清肝炎を併発した場合、そのため長期療養を余技なくされ、全身が衰弱し、心臓や肝臓病などの余病を併発し、1年4か月後に亡くなられました。

また、逆に因果関係が認められなかったケースは以下の例になります。

●仙台高裁昭和45年12月14日判決

事故によって背中や右悸助部を強打し、肝臓裂創の傷害を受けた方が、1年後に肝臓癌で亡くなられました。

●大分地裁中津支部昭和46年7月30日判決
頭部外傷などの傷害を受けた方が、8か月後に肝硬変で亡くなられました。


このように、余病の発生が事故による傷害が原因と考えられない場合や、余病発生の蓋然性が少ない場合、また、事故以外に発生原因が考えられる場合には、因果関係が認められません。

交通事故と因果関係がある損害

交通事故の不法行為による損害については、どの程度の範囲で賠償するかについて、特別な規定は設けられてはいません。

それで、民法416条の債務不履行に関する条文を類推して適用する考え方が主流になっています。

交通事故と因果関係がある損害


これは、通常、損害を生ずべき損害の通常損害と、特別の事情によって生ずる損害の特別損害とに分けて考えられています。

特別損害は、当事者が予見可能な場合にのみ賠償するべき義務が発生するとされています。
そもそも損害は、無限に広がる可能性のあるものですから、その損害の範囲を社会的公平の立場から
妥当な範囲で線をひこうとするもので、相当因果関係といわれ、判例がとっている考え方です。

被害者が必要もないのに行った治療や、休業の費用の負担まで被害者に負わせるのは妥当ではありません。

ポイントとなるのは、被害者が回避できた損害かどうかを基準にして考えることです。

財産的損害と精神的損害

人身損害とは人の生命や体が侵害されたときの損害のことをいいますが、この人損はさらに財産的損害と精神的損害に分けられます。

財産的損害と精神的損害.JPG


財産的損害は、財産を侵害されたときに起こる損害のことで、さらに積極的損害と消極的損害に分けられます。

事故が起こらなければ出費しなかったであろう費用、つまり、事故があったために支出してしまった費用で、積極的に財産を失わざるをえなかった場合の損害を、積極的損害といいます。

人身損害における治療費、入院費、付添費、通院に必要な交通費、葬儀費、物損における車の修理費などがこれにあたります。

これに対して、事故が起こらなければ得られたはずなのに、事故に遭ったために得られなくなった収入で、財産を増やすことを妨げられたため生じる損害のことを消極的損害といいます。

人身損害における死亡や後遺障害によって将来の収入を絶たれてしまうこと、あるいは減少してしまったり、休業を余技なくされてしまうこと、また、事故によって商売道具の車が動かなくなってしまうことによる休車損などがこれにあたります。

人身損害と物件損害

交通事故による損害の分類は、まず、人身損害と物件損害に分けられます。

さらに、人身損害は財産的損害と精神的損害に分けられます。

人身損害と物件損害.JPG


人の大切な命や体に傷害を負わせられた場合を人身損害といいます。

治療費や通院に必要な交通費など、また、慰謝料や交通事故に遭ったおかげで失ってしまった利益、これをを遺失利益といいますが、これらが損害賠償されます。

物件損害は、自動車や建物、その他の物件が侵害された場合の損害です。
修理費や代車料、そのものの価値が下がってしまう評価損などが損害賠償されます。

財産的損害は、積極的損害と消極的損害に分かれますが、積極的損害とは、事故によって被害者が支出させられたことによる損害のことをいいます。

治療費,付添看護費,諸雑費,葬儀費,弁護士費用等がこれに当たります。

消極的損害とは、被害者が事故に遭わなければ得られたであろうと考えられる利益のことをいいます。

休業損害や逸失利益などがこれに当たります。

慰謝料はいくらもらえる?

Q
慰謝料はいくらもらえる?


A
自賠責保険では、慰謝料として1日4200円が認められています。
慰謝料とは、交通事故により被害を受けた被害者の精神的苦痛に対して支払われるお金のことです。

慰謝料はいくらもらえる?.jpg


慰謝料の対象となる日数は、治療期間と、実際に治療を行われた日数によって決められます。
実際に治療が行われた日数を2倍して、治療期間の日数と比べてどちらかが少ない日数になります。

つまり、治療期間に対してその半分以上の治療を受けていれば、治療を受けていない日でも慰謝料は認定されるということです。

たとえば、交通事故にあったBさんは事故当日からケガが治癒するまで30日間医師の治療を受けたとします。
この場合、治療期間は30日間だとします。10日間の入院をしたBさんは、その後10回の通院をしました。つまり、実治療日数は、入院の10日と通院の10日を合わせて20日間となります。

この場合、実治療日数の2倍である40日と、治療期間の30日のどちらが少ないかということになるので、
後者の30日になります。

 日額4200円×30日=126.000円 となるわけです。


自営業・主婦・バイトの休業損害

自営業者(事業所得者)の場合は、職業証明書を提出することによって1日あたりの休業損害の定額である5700円が認められます。

自営業・主婦・バイトの休業損害.jpg


その定額の5700円以上の収入がある場合は、以下のように前年度の所得証明書で請求します。

 日額=(年収ー必要経費)÷365日  となります。

専業主婦の場合は、「家事従事者」として休業損害が認められます。この場合、家事の相手となる同居の家族がいるか住民票で確認されます。

専業主婦の場合も1日あたりの休業補償は5700円が認められています。

アルバイト、パート、日雇い労働者、非常勤雇い日給者の場合は、1か月の勤務が20日以上であり、かつ1日の就労時間が6時間以上だと、5700円が認められます。

これは、5700円以下の収入であったとしても認められます。

サラリーマンの休業損害

サラリーマンの休業損害の計算は、「休業損害証明書」という会社が作成した証明書に基づいて、給与日額と欠勤期間から計算されます。

サラリーマンの休業損害.JPG


休業損害証明書は、交通事故により仕事に就けなかったりして収入が減少した場合、収入の損害を証明するための計算書です。

1日あたりの賃金を割り出すときには、事故前の3か月間の基本給に付加給を足し、90で割ります。
これは、社会保険料や所得税を控除する前の総支給金額を90で割るということです。

休業損害証明書には前年度の源泉徴収表をつけなければなりません。源泉徴収をしていない場合は、過去1年間の給与台帳、出勤簿、をコピーして、会社印を捺し、源泉徴収表の代わりとされます。

また、入社直後に事故に遭った場合など、勤務実績が3か月に満たない場合もあると思います。
その場合は、事故前1か月または2か月の平均で日額を割り出します。

2006年03月05日

交通事故で収入が減ったら?

Q
交通事故で収入が減ったら?


A
交通事故によってケガをしていまい、その結果、仕事を休んだために減ってしまった収入のことを、休業損害といいます。

そして、仕事に就けない期間のことを休業期間といいます。
これは休業補償の対象となります。

交通事故で収入が減ったら?.JPG


交通事故による減収があれば、休業損害証明書を提出することで損害を受けた分が補償されるのです。

サラリーマン(給与所得者)の賃金計算方法は、日額が5700円が認定されています。
賃金の日額が5,700円に満たない場合でも、最低この金額は補償されています。

自営業などの事業所得者は、事故の前年の申告所得に基づいて計算されます。

ただし、どんなに給料の日額高い人でも、自賠責では最高1日19000円までしか認められません。

また、少しくらい仕事を休んでも給与が減額されない規定になっている人、会社の役員などで多少の休業では給料の減少に影響のない人は、休業損害は発生しないものと捉えられます。

なお、自営業や主婦の場合は、実際に治療を受けた日数が休業日数として認定されます。

保険金以外の治療関係費で認められるもの

ケガの保険金とはいっても、病院の窓口で支払う医療費だけではありません。
もし事故が起こらなければ、払う必要のなかったお金がいろいろ認められるので、とりあえず自賠責保険の窓口や損保会社に相談してみましょう。

保険金以外の治療関係費で認められるもの


医師の指示で親族が付き添いをした場合は、近親者の付き添い費として1日あたり4100円が認められますし、付き添い看護に必要な、寝具代や交通費も必要で妥当であれば実費が認められます。

入院中の諸雑費も療養に直接必要な物であれば、入院1日あたり1100円までが領収証なしで認めらます。

たとえば次のようなものです。

寝具などの使用料・医師の指示によって買った牛乳などの栄養物・電話などの通信費・テレビなどの賃貸料・湯のみ茶碗・シーツ・衣類などの洗濯費・医師看護士への謝礼などその内容はさまざまです。

1日の定額を越える場合は、しっかり領収証をもらっておきましょう。
常識的に入院に必要で、かつ妥当だと認められれば幅広い範囲で補償されるのです。

自賠責で治療費と認められるもの

自賠責保険では、以下のようなものが治療に関する費用として認められます。
領収証は請求に備えてしっかりとっておきましょう。


●診療費→診察料・入院料・投薬料・手術料・処置料・歯科治療費・護送費・入転通院に関する交通費・看護料・入院諸雑費・義肢・義足・松葉杖などの用具・診断書などの文書料などです。

上記の入院料については、地方によって認定される1日の上限額が決まっています。


●関東・中部・関西・福岡県→14,000円
●東北・北陸・中国・四国・九州(福岡以外)→13,000円
●北海道・沖縄→12,000円

また、ケガの状態を判断して治療上認められれば、柔道整復師、あんま師、はり師、きゅう師、マッサージ師などの施術費も認められます。

交通事故の加害者と被害者の定義はどう決まる?

Q
交通事故の加害者と被害者の定義はどう決まる?


A
交通事故による過失割合の大きい方を加害者、小さい方を被害者と呼びますが、自賠責保険は人身に対して補償をする保険という性格上、ケガをした方が被害者、ケガをさせた方が加害者となります。

交通事故の加害者と被害者の定義はどう決まる?


過失割合の大きい方が加害行為をした方で、小さい方は不法行為によって被害を受けた人です。

加害者、被害者というと、前者を悪者、後者を罪もないのに被害を受けた人、ととるかもしれません。
しかし、自賠責保険では過失の大きい小さいではなく、ケガをしたか、させたかがポイントなのです。

たとえば、注意深く正しい運転をしていたはずのAさんが、横からいきなり飛び出してきた子供を車でひいてしまった、とします。

この場合、Aさんの過失は前方注意不足であったととられはしても、その過失割合は低いはずです。
しかし、ケガをした子供は自賠責保険でみると、被害者、Aさんは加害者になります。

自賠責保険のページでは、「被害者請求」と「加害者請求」という言葉がよく出てきます。このことを頭に
入れた上で読んでいってください。


なぜ自賠責保険が必要か?

なぜ自賠責保険が必要か? といいますと、いまや多くの人が車の運転をする時代です。
家庭でも2.3台所有している家は多いでしょう。

車はとても便利なものですが、走る凶器だということを忘れてはいけません。
どんなに自分の運転に自信があっても、交通事故に巻き込まれることだってあります。

なぜ自賠責保険が必要か?


「世の中、絶対なんてことはないのです。」

自動車の運転は誰でも十分な注意が必要ですから、実際に事故が起こった場合、止まっている車に追突した以外は、過失割合が0というケースは少ないのです。

特に交通事故の相手が歩行者だった場合は、自分に過失がないこと、自動車の整備に不良がないと、相手に落ち度があること、の3つを証明できなければ賠償責任を免れません。

更に、貸した車や盗まれた車に対しても、管理・所有者責任を問われることがあるのです。

つまり、車を所有・運転することにはリスクがいっぱい!

これらのようなリスクに備えるには、自賠責保険に入ることが大切なのです。
事故が起きる前に、自賠責保険についてしっかり考えておきましょう。


2006年03月04日

自賠責保険の仮渡金の請求って?

自賠責保険の請求には、「仮渡金請求」と「内払金請求」、そして「本請求」の3つがあります。

仮渡金の請求とは、損害賠償金の支払いを受ける前に、当面の費用が必要なときに、まとまったお金を受け取ることができるようにする請求のことです。

仮払金の請求って?.jpg


これは被害者のためにある制度で、被害者のみが請求できます。

自賠責保険の仮渡金が請求できるのは、1回だけです。次のように事例ごとに金額が決められています。

 ・ 死亡した場合 → 290万円
 ・ 入院14日以上で、治療が30日以上を要する場合 → 40万円
 ・ 大腿骨・下腿骨の骨折 → 40万円
 ・ 上腕または前腕の骨折 → 20万円
 ・ 入院14日以上を要する場合・また、入院を要し、治療を30日以上要する場合 → 20万円
 ・ 治療を11日以上要する場合 → 5万円

あくまで、これは自賠責保険の仮渡金ですので、最終的に判断された金額がこれより少なかったら、多い分を保険会社に返さなければならないので注意です。

自賠責保険の仮渡金の請求は、医師に「仮渡用の診断書」というものを書いてもらい、請求書とともに保険会社に提出します。

お金の支払いは1週間程度でスムーズに行われるでしょう。

自賠責保険の時効を引き延ばすには?

Q
自賠責保険の時効を引き延ばすには?

A
自賠責保険の損害賠償請求権は、書類を提出することにより時効を引き延ばすことができます。

誰しも巻き込まれたくない事故であり、頭には入っていても、いざとなると右往左往してしまうものです。
事故が起こればなるべくスムーズに保険の交渉を済ませたいところでしょうが、なかなかそうはいかないこともあります。

自賠責保険の時効を引き延ばすには?

自賠責保険の時効を引き延ばしたい場合は、たとえば過失割合の折り合いがつかず、示談が長引きそうな場合や、また、後遺障害の症状がなかなか固定・確定しないということもあります。

損害賠償請求権は、保険会社に対して「時効中断承認申請書」を提出して、承認してもらうことにより、簡単に中断できます。

時効中断承認申請書の用紙は保険会社にあります。

万一の事故の時は、予想以上にさまざまな手続きが必要であったり、それぞれの段階の進行に時間を要する場合があります。

時効の中断手続きを取らないままに時効が過ぎてしまうと、請求権を失うことになりますので注意してください。

自賠責(強制保険)が使えないとき

その加入が義務づけられている強制保険=自賠責保険ですが、
中にはそれでも強制保険に加入していない者や、期限が切れている場合もあります。

強制保険が使えないとき


また、引き逃げで犯人が分からないとき、盗難車で犯人が分からず、更に車の持ち主もその責任を負わない場合・・・など、強制保険(自賠責保険)からは保険金が支払われません。

では、被害者はいったいどうしたらいいのでしょう?

そんな場合に備え、政府による補償事業があります。

強制保険(自賠責保険)の保険金額と同額までの限度におさえ、政府が損害の補償をしてくれるというものです。
その代わりに政府は、加害者に対して損害賠償の権利を持ち、後で犯人が分かった場合や強制保険に加入していずにとりあえず支払い能力のない者に、後で損害賠償をして取り立てるのです。

しかし、この方法も最終的な手段ですので、被害者が健康保険や労災保険に入っている場合など、他でも損害の補填をできる場合は、その分は請求額から差し引かれます。

なお、この政府補償事業に対する請求権も2年で時効となってしまいます。
請求の手続きはどの保険会社でもできます。


任意の自動車保険のPAPとは?

任意の自動車保険のPAPとは、

● 人に対して傷害を負わせてしまった場合に補償される対人賠償保険、
● 事故の相手が保険に未加入だった場合にも補償される無保険車障害保険、
● 事故の相手がいなくて自分単独だった場合に補償される自損事故保険、
● 車の同乗者が傷害を負ってしまった場合に補償される搭乗者傷害保険、
● モノを壊してしまった場合に補償される対物賠償保険

といった、5つの保険に対人示談交渉サービスをセットした自動車任意保険のことをいいます。

PAPとは?.jpg


SAPと違う点は、車両保険がないことです。

PAPは5つの保険、SAPは6つの保険と覚えてください。

1998年7月の任意の自動車保険の自由化以来、このほかにもさまざまな保険が保険会社から出てきています。

自動車保険のSAPとは?

自動車保険のSAPとは、事故の相手に対して保障する対人賠償保険です。

●保険のかかっていない相手にも対応する無保険車障害保険、
●事故の相手がいなく、自損してしまった場合に備える自損事故保険、
●自分の車に一緒に乗っている人の補償をする搭乗者傷害保険、
●モノを壊してしまったときに補償を受けられる対物賠償保険、
●自分の車の修理に使える車両保険の6つの自動車任意保険

これらに、対人・対物示談交渉サービスをセットした自動車任意保険のことをいいます。

自動車保険のSAPとは?.jpg


車両保険がついているのがポイントで、対人だけではなく、対物事故についても示談の交渉など幅広く補償をしてくれる嬉しいセットです。

1998年7月の任意の自動車保険の自由化以降、これ以外にも保険会社はさまざまな新しい保険を出しています。

任意の自動車保険の種類

任意の自動車保険にはさまざまな種類があります。
人に対しては、対人賠償保険、無保険車傷害保険、自損事故保険、搭乗者傷害保険、人身傷害保険など、物に対しては、対物賠償保険や車両保険などです。

任意の自動車保険の種類.jpg


対人賠償保険は、自動車を運転していて他人を死傷させた時の損害賠償として使う保険です。

無保険車傷害保険は、事故の相手が保険に加入していなかった場合に、自分の保険から損害賠償する
保険です。

自損事故保険は、相手のいない自分単独の事故の時に自分の保険から賄われる保険のことです。

搭乗者傷害保険は、自分の車に同乗していた人が死傷を負った場合に補償する保険です。

人身傷害保険は、無保険車傷害保険、自損事故保険、搭乗者傷害保険をも含む保険です。歩行中に
自動車に跳ねられてしまった場合の事故などにも対応します。

対物賠償保険は、電柱やガードレール、相手の車などを壊してしまったとき、車両保険は自分の車が
破損したときの補償を受けるためのものです。


自賠責保険と任意保険との違い

自動車保険の任意保険とは、その名のとおり任意の保険会社に入ってかける自動車保険です。

自動車保険には任意の保険のほか、自賠責保険もあります。これは国で定められた、加入が義務づけ
られている保険です。

自動車保険の任意保険とは.jpg


しかし、この保険の適用は人身のみに対してであり、金額もそれほど多くはありません。
なので、実際に起こった事故をみてみますと、それだけの補償ではとうてい賄いきれないのです。

それで、自賠責保険に上乗せする形でかけるのが任意保険です。
任意保険には、対人賠償責任保険と対物賠償責任保険があります。

なお、対物賠償責任保険の加害者請求権は、被害者が損害賠償の履行をした日から2年で時効になります。

また、被害者が請求する権利は、損害や加害者を知った日から2年で時効になります。
後遺症がある場合は、その後遺症の症状がそれ以上よくならないと医師に診断された日から2年ということになります。

自賠責の減額率はどう決まる?

自賠責では民法上の過失割合を基準にし、被害者にとって少しでも保険金が有利に支払われるよう工夫がされています。

被害者や加害者にルール違反が見つかった場合は、その内容により、基本過失割合から20%と10%を足したり引いたりするのです。そのことを修正要素といいます。
減額率の判断は、基本過失割合を修正要素で考慮し、重過失減額や減額率が決まります。


自賠責の減額率はどう決まる?.jpg


たとえば、被害者に基本割合70%の過失があったとします。
一方、加害者には何の過失もないとするならば、被害者の重過失による減額率は20%となり、被害者へ支払われる保険金は80%になります。

では、もしもこの場合の加害者が無免許運転だった場合はどうでしょう?

被害者の基本割合の基本割合の70%から加害者の過失分20%が差し引かれ、被害者の過失は50%になります。

そのため、被害者には保険金が100%支払われ、減額はされないのです。

自賠責の「重過失減額」って?

自賠責保険の支払いには次の3通りあります。
全額支払われるもの、減額して支払われるもの、まったく支払われないもの、です。
減額して支払われるものは「減額事案」、まったく支払われないものは「無責事案」といいます。

自賠責の「重過失減額」って?.jpg

自賠責保険も過失割合によって、どの程度補償されるのかが違ってきます。

いくら被害者保護の保険であるといっても、被害者が無謀な運転をしていたり、危険を招く行為をしていたら、無責と判断されて1円も出ない可能性もあるのです。

過失割合とは、事故の加害者と被害者お互いにどの程度の責任があるのか?ということです。
昭和50年4月に制定された、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」に基づいて、保険会社が示談により過失割合を決めています。

たいてい、被害者に70%以上の過失があると、保険金がカット差し引かれます。
これは、ケガをしたり死亡したりしても同じです。

自動車保険の会社に健康保険への切替を勧められた?

Q
自動車保険会社に健康保険への切替を勧められたら、どう対応すればいいのしょうか?


A
例えば、交通事故で怪我をしてしまい、入院していたら自動車保険の会社から調査員がやってきまた。
その時、「健康保険に切り替えてもらえませんか?」と言われたのですが、なぜ自分の健康保険を使わなければならないのでしょう?損をしませんか?

自動車保険会社に健康保険への切替を勧められたら?.jpg


この答えなのですが、自分に過失がまったくない場合は別として、少しでも自分に過失がある場合はこれに応じておいた方が得なのです。

健康保険に切り替えることを自動車保険の業界用語では’ケンキリ’といいます。

病院にかかって治療を受けた場合、健康保険証を使った場合と使わない場合では料金に2~3倍もの開きがでてきます。

保険会社の担当員は少しでも治療費を節約するため、’ケンキリ’したがるのです。
なお、’ケンキリ’することで、自分の過失分は自分の負担になります。

自動車保険の会社に健康保険への切替を勧められたら、応じておいた方がその後の交渉もスムーズにいくでしょう。

2006年03月03日

交通事故で顔に傷が残った場合

Q
交通事故で顔に傷が残った場合はどのようになるのでしょうか?


A
例えば、20代の未婚の女性です。
先日、交通事故で顔に線状の傷が残り、後遺症の認定も受けました。

表に出るのもつらいですし、まともに顔を出す仕事にも就けないと思います。これを遺失利益として損害賠償を請求することはできるのでしょうか?

という場合です。

事故で顔に傷が残ったら・・・?.jpg


顔に傷を負ったりする顔面醜状については、女性の場合は後遺症12級、特にひどい場合は7級、男性の場合は14級で、特にひどい場合は12級と、男女に差があります。

女子の方が等級は上ですが、現在の社会通念では仕方ないといえるところでしょう。

これは自賠責保険の制度上による等級です。
顔面醜状の等級には12級とその上の7級しかありません。

顔面醜状については、身体的能力、労働能力が直接欠如するものではありませんし、判例ではほぼ遺失利益の請求は認められていません。

しかし、女性にとって顔は働く上や結婚する上、また社会生活上も大切なものです。
ですので、遺失利益という形ではなく、慰謝料という形でなら賠償されることが多いでしょう。


自動車保険を内縁の妻は請求できるか?


いわゆる内縁の妻は、いわゆる夫の交通事故に対し、自動車保険を請求できるのでしょうか?



例えば、夫が交通事故で亡くなりました。
ですが、私はいわゆる内縁の妻で、夫の戸籍には入っていなかったのです。
法律上、妻でないのなら、私には自動車保険の損害賠償をする権利はないのでしょうか?

というような場合です。

自動車保険を内縁の妻は請求できるか?


結論からいいますと、内縁の妻でも自動車保険の損害賠償をすることができます。
内縁というのは、婚姻届を出していないだけで、婚姻届を提出したほかの夫婦と同じ家庭生活を営んでいる男女のことですから、妻と同じとみなされるのです。

ただし、内縁の妻には相続権がないので、こういった場合、扶養請求権の侵害による損害と慰謝料、または夫の遺失利益を求める裁判も行われています。

しかし、内縁の妻が夫から扶養されていた場合には、夫の死亡によってこれからの生活に困るわけですから、扶養請求権が侵害されたともとれるので、損害賠償をする権利があるのです。

なお、一時的に同棲をしているカップルや、妻と別居して愛人と暮らしている男女などは、内縁とはいいません。

交通事故を起こしたら、まずは何を?


交通事故を起こしたら、まずは何を?



交通事故を起こしたら、まずは何をすればいいのか、冷静に対応しなければいけません。


交通事故を起こしたら、まずは何を?


交通事故はいつ起こるか分かりませんし、誰の身に降りかかるかも分かりません。
運転を誤って事故を起こしてしまう場合もあるでしょうし、自分が悪くなくても事故に巻き込まれることは十分ありえるのです。

だから、いざという時、しかるべき措置を取れるよう頭に入れておくことが大切です。

まず、交通事故を起こしてしまったら、左右を確認して車を安全な場所(路肩の左脇)などに寄せ、車を停止させます。そして、被害者や被害車両がどんな状態にあるか、確認しなければなりません。

被害者が負傷している場合には、ただちに医者を呼ぶなり、救急車を呼ばなければなりません。

そして、道路上の安全確認です。

他の車両の通行の邪魔をしている事故車があれば移動したり、この場は危険であると、後続車に知らせるなど、何らかの措置をとらなければなりません。

それと同時に警察に通報します。

警察に報告すべきことは、事故が起こった日時、場所、死傷者や負傷者の数、損害した物とその程度、自分がとった措置についてです。

以上のように、救護義務と報告義務があるのです。
また、警察の指示に従わないと処罰されます。

なお、忘れてはならないのは、損害賠償問題のために、被害者の住所、氏名、被害程度、現場状況、被害者の過失の有無、程度、目撃者の住所氏名などをメモしておかなければなりません。

自動車保険会社以外で相談できる所は・・・?

Q
自動車保険会社以外で相談できる所はありますか?

A
例えば交通事故を起こして自動車保険会社と示談の交渉をしています。

けれど、なかなか話し合いがつきません。
私は法律に詳しくありませんし、相手のペースにのせられたり、不利な立場になってしまいそうです。
保険会社以外でどこか相談できるところはありませんか?


自動車保険会社以外で相談できる所は・・・?.jpg


このような場合は、交通事故相談所で相談にのってもらうとよいでしょう。
交通事故相談所は全国の都道府県や地方団体、交通安全協会などの公の機関が主要都市に開いています。

ただし、相談にのってもらうのみで、示談のあっせんまではしていません。
しかし無料ですので、法律に詳しくない方や弁護士に頼むほどではない、あまりお金はかけたくないという人は、気軽に相談にのってもらうとよいでしょう。

その他は、財団法人日弁連交通事故相談センター、財団法人交通事故紛争処理センターでも無料で相談にのってくれるほか、示談のあっせんも行っています。

交通事故処理に詳しい弁護士もいますし、加害者と被害者双方の話を聞いて、公正な判断をしてくれます。相談所は全国に142か所あり、示談の斡旋までしてくれるのは、そのうち29か所です。

また、交通事故紛争処理センターも少ないですが、全国に10か所あります。すべて示談のあっせんを行っています。こちらも交通事故に詳しい弁護士が相談にのってくれます。

もし、悩んでいるなら、このようなところに相談してみるのもひとつの手です。

加害者が何の保険にも入っていなかったら・・・

Q
加害者が何の保険にも入っていなかったら・・・

A
車にひかれて大きなケガを負ってしまいました。
ところが、加害者は任意保険はもちろんのこと、自賠責保険にすら入っていなかったのです!
しかも、お金のあるような人には見えません。このまま私は泣き寝入りをするしかないのでしょうか・・・?

加害者が何の保険にも入っていなかったら・・・.jpg


このような未加入の場合、自賠責保険の代わりに国が損害賠償金を支払うことになっています。

支払基準は自賠責保険とおおむね同じですが、過失相殺を厳しくしています。
被害者の過失が大きいと、もらえる金額も少なくなってしまいます。

この手続きは保険会社に請求用紙が用意してあり、どの保険会社でも取り扱ってくれます。

国は被害者に払った損害賠償金を加害者に請求して取り立てるのです。

いわば、自賠責保険に入っていない人が起こした交通事故の被害者を救済するシステムといえるでしょう。

なお、自賠責保険は、自動車損害賠償補償法により、公道を走るすべての車やバイクにその加入が義務づけられています。

これに加入せず違反すると、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金になります。

2年半前に交通事故でケガをしたのですが・・・?

Q
2年半前に交通事故でケガをしたのですが・・・?

A
2年半前に交通事故でケガをしました。相手は離れた町の運送会社で、遠方のため何の補償も受けずに今日まできてしまいました。
最近になって、後遺症がでてきたような気がします。まだ損害賠償できるのでしょうか?

2年半前に交通事故でケガをしたのですが・・・?.jpg


さて、このような場合はどうでしょうか?

自動車損害賠償保障法では、自賠責保険(強制保険)に関しては、2年で時効が成立することになっています。しかし、まだ損売賠償請求権は残っています。

これは事故から3年ですから、権利を行使することができるでしょう。

時効の期間はいつからかという疑問がありますが、被害者(または法定代理人)が損害や加害者を知った時点から3年とされていますから、「相手が遠方の運送会社の社員であると知った」時からになります。

後遺症については事故後にすぐ分からないものもあります。その後遺症がこれ以上治らない、と医師に診断された翌日から時効の起算ははじまります。

過失割合はどう決まるの?

Q
過失割合はどう決まるの?

A
過失割合は、「事故発生状況報告書」をもとに決められます。

まず、その事故が「有責」「無責」かを判断されます。
有責とは加害者に責任があることをいい、無責は加害者にまったく責任がないことをいいます。無責と判断されたら、加害者には被害者に対する損害賠償責任はないので自賠責の支払対象にはなりません。

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被害者の過失が70%未満だと判断されたときは、損害保険料率算出機構は損害額を計算し始めます。
また、被害者の過失が70%以上の可能性がある場合は、「重過失減額」といって、保険金が一部削られたり、「無責」の可能性もあるので、特定事案として有無責等審査会で審査されます。

このように、被害者と加害者の双方に対する確認や照会などのプロセスを経て、損害保険料算出機構では「減額なし」「重過失減額」「無責」のいずれかを決定します。

減額なしとは、保険料を100%支払うこと、重過失減額は、被害者の過失に応じて保険金を減額すること、無責は加害者に過失はないので保険金は支払わないことをいいます。

自動車保険の一括払い請求を勧められましたが・・・?

Q
自動車保険の一括払い請求を勧められましたが・・・?

A
現在、任意の自動車保険会社と示談の交渉中です。
まだ自賠責保険はもらっていません。

任意の自動車保険の会社の担当員に、自賠責保険と任意保険を一括払い請求をすることを勧められました。
その方がいいのでしょうか?何か損することはないですか?

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基本的に、被害者は自賠責保険から補償の支払いを受け、その不足分を上乗せする形で、任意の自動車保険会社から支払いを受けるのが原則です。

しかし、自賠責保険と任意保険のどちらも請求するのは、被害者に負担がかかります。
そこで、任意保険の会社が自賠責保険の請求を請け負い、その分を立て替えて被害者に任意保険分と一括して払い、あとから任意の保険会社が自賠責から取り戻すという方法もとられています。

ただし、任意の自動車保険会社の示談がうまくいっていない時は、被害者にとって不利になります。

たとえば死亡保険金の交渉で、納得のいかない数字の場合、先に自賠責保険からの支給を受けて、その後ゆっくりと任意保険の会社と交渉するという手もあるのです。


任意保険の時効

任意保険の被害者が加入する保険にも時効があり、2年になります。

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以下のさまざまな保険においても時効が違います。

 ・ 自損事故保険における死亡保険金 → 死亡の翌日から2年
 ・ 自損事故保険における後遺障害保険金 → 症状の固定日から2年
 ・ 自損事故保険における医療保険金 → 被保険者が平常の生活あるいは業務に従事する程度に                             治った日、または受傷日から160日を経過した日、いずれ                             か早い日の翌日から2年

 ・ 無保険車傷害保険における死亡・後遺障害保険金 → 死亡、または症状固定日から2年
 ・ 搭乗者傷害保険における死亡保険金 → 死亡した翌日から2年
 ・ 搭乗者傷害保険における後遺障害・重度障害保険金 → 被保険者に後遺障害が生じた日、また                                       は受傷日から180日を経過した日、い                                        ずれか早い日の翌日から2年
 ・ 搭乗者保険における医療保険金 → 被保険者が平常の生活あるいは業務に従事する程度に治っ                          た日、または受傷日から180日を経過した日、いずれか早い                          日の翌日から2年
 ・ 車両保険 → 事故発生日から2年
  
いずれの場合にしても、保険の請求は事故が起こってから迅速に行うのが基本です。

自賠責保険を加害者から請求する場合

自賠責保険が請求できる権利には期限、つまり時効があります。
自賠責保険を加害者から請求する場合と、被害者から請求する場合でも違いますし、以下のようなそれぞれのケースによっても違いがありますので注意しましょう。

自賠責保険を加害者から請求する場合

自賠責保険を加害者から請求する場合は、被害者に支払った日の翌日から2年になります。

どういうことかといいますと、被害者に先に賠償金を支払い、あとで自賠責に請求をしてその分を穴埋めするような場合です。

以下の場合でもそれぞれ時効の起算日は違ってきます。

 ・ 保険会社が請求を受けつけたが、書類に不備があって請求者に返却されてしまった場合

 ・ さまざまな理由により、支払いできない、と保険会社に回答されてしまった場合
   「無責」「対象外」「非該当」などです。過失割合のページで詳しくお話しします。

 ・ 仮渡金が支払われた場合は、その翌日です。
 
 ・ 内払金を請求する場合は、前回の支払日です。

 ・ 通知された支払額に不満があって、請求者が保険会社に異議申立した場合は、その回答日です。


自賠責保険を被害者から請求する場合

自賠責保険の請求をする権利には権利の時効、期限があります。
時効を過ぎてしまうと下りるはずのものも下りなくなってしまいますので、注意しましょう。

自賠責保険を加害者からする場合と被害者からする場合、また、以下のようにそれぞれのケースによって違います。

自賠責保険を被害者から請求する場合


被害者から自賠責保険を請求する場合は、事故の日から2年間になります。
自賠法では加害者の賠償責任が発生してから2年で時効になってしまうからです。

次のように事故後の被害者の状況によって、時効の起算日が分かれています。

【ケガの場合】
事故の日の翌日から数えて2年

【後遺障害の場合】
症状の固定日、つまり、これ以上治療してもよくなりませんよ、と医師に言われた日の翌日から2年

【死亡の場合】
死亡日の翌日から2年

なお、時効を過ぎてしまいそうな場合は、「時効中断申請書」というものを出しておきます。
これは、保険会社に用紙が用意されています。

2006年03月02日

自動車保険では契約した相手へ請求する

自動車保険では、交通事故が発生した場合、契約した相手へ請求します。

契約した相手とは、例えばタクシーやバスなどでは、当該する会社は、「乗客を安全に決められた料金で送り届ける」 という契約関係が前提にあるものです。

自動車保険では契約した相手へ請求する


タクシーやバス会社は、顧客からお金をもらうことを前提に、決められた時間に、決められた場所に、しかも安全に送り届けなければならないという義務を負っています。

もしも、そのバスやタクシーに乗っていて事故に遭ってしまったら・・・?ケガをしてしまったら、自動車保険はおりるの?・・・

その場合、契約が正しく守られていないということで、自動車保険の損害賠償をする権利が生まれてくるのです。

被害者は、タクシー会社なりバス会社の使用者に対し、自動車保険の損害賠償以外にも、使用者責任、運行供用者責任、そして、債務不履行責任をも追及できるのです。

つまり、その乗客であり被害者は、タクシーやバス会社に損害賠償できるということになります。
運転手はその会社の履行責任者であり、運転手の使用者も同じ責任を負います。

共同不法行為者に請求

共同不法行為者とはどういうことかといいますと、2名以上加害者がいた場合の交通事故の加害者ことをいいます。

共同不法行為者に請求


たとえば、1台めの車に跳ねられた後、さらにもう1台の車にも跳ねられてしまう、また、一方の車が信号を見落として交差点に入ってきたため、それを避けようとした2台目のドライバーが人を跳ねてしまう、といったようなことです。

これは、2名で共謀したなど、その者たちの間に何の因果関係がなくとも、共同不法行為者とみなされます。故意、過失に関わらずです。

被害者は加害者の全員に損害賠償することもできますし、そのうちの1名だけでもかまいません。
ただし、一方から賠償金の支払いを受ければ、その分はもう一方には請求できなくなります。
これを、不真正連帯債務といいます。

交通事故の賠償を国や公共団体に請求

これは、交通事故の相手が職務中の公務員だった場合です。
その場合は国や公共団体に損害賠償を請求することができます。

交通事故の賠償を国や公共団体に請求


また、国、公共団体の管理不行によって道路や河川、その他の公営物が損傷され、それにより不利益を被った時には同じく国や公共団体に損害賠償請求することができます。

具体例を挙げますと、道路の標識にミスがある、信号機をつける場所が分かりづらい、道路工事を知らせる看板等を正しく設置していないなど、それによって被害者が交通事故による不利益を被れば、国や公共団体にも損害賠償を請求することができるのです。

国や公共団体は、道路の使用者が安全に道路を使えるよう配慮していなければならない義務があるためです。


運行供用者に請求

運行供用者といえば、分かりやすく言うと自分のために自動車を運転する者ということです。
ひとくちに運行供用者といってもその解釈の範囲は幅広く、個々の判例に委ねられています。

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以下のような場合が考えられます。

 ・会社の従業員が就業時間外に無断で会社の車を運転した場合
 ・盗難によって泥棒が運転していた場合
 ・家族カーで家族の誰かが運転した場合
 ・レンタカーや賃貸借で車を貸し出す場合
 ・そして車の名義を貸し借りする場合
 ・ローンで車を買っていた場合
 ・自動車を担保にしていた場合
 ・下請けの会社や人員に運転させていた場合
 ・従業員のマイカーである場合

自動車事故の損害賠償を監督義務者に請求

これは、会社の経営者、監督者のみならず、判断能力のないお年寄りや幼児など、その動きを見守っていないと、自動車事故を誘発させてしまう可能性をはらんだ者を、保護監視する責任のある者、父母などにも損害賠償の請求をすることができるというものです。

自動車事故の監督義務者に請求


たとえば、子供が道路に駆けて行ってしまい、タクシーに跳ねられた場合、タクシーの乗客もケガを負っつたとします。

被害者として自動車事故の損害賠償するのが乗客だった場合、飛び出してきた子供の監督義務者にも損害賠償を請求できるのです。


未成年者の責任能力はいつからか?が疑問なところですが、だいたい中学生くらいから認められています。

また、幼児を預かる託児所や幼稚園・保育園の保育士などにも損害賠償の請求ができるとされています。

このことは、民法714条1項に定められています。

交通事故の損害賠償を代理監督者に請求

代理監督者とは、運転手の使用者に代わり、運転手の仕事を監督する仕事に従事している者のことを指します。

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これはその経営者が直接、社員を監督する状況になく、取締役など代理で監督する者がいた場合、その者にも損害賠償を請求することができるというものです。

民法715条2項に記されていますが、実質的に使用者に代わって事業を監督する者に、その責任がかぶせられるのです。

主に、会社の代表取締役、専務取締役、部長、工場長、支店長、課長といった役職の方たちです。

ただし、役職には就いていても、実際に運転者の監督を担当していなければ、責任には問われません。

代表取締役は代理監督者ではなく、使用者そのものではないか?との見方もありますが、判例では使用者はあくまで会社そのものであり、代表取締役は代理監督者であるとの見方をしています。

交通事故は起こした相手の使用者に請求可能

交通事故の被害者となってしまい、その相手が仕事中の会社員だった場合、その相手の会社に交通事故の損害賠償をすることができます。

交通事故を起こした相手の使用者に請求


これは、民法715条にも定められていますが、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」となっているからです。

また、相手の会社員に自動車事故の損害賠償責任を負わせるより、その経済的母体である会社に責任を負わせた方が、被害者も補償が確保され、また会社もその損失を会社に分散することができるという社会的背景によるものです。

つまり、こういうことです。
会社は使用者の事故の補償でお金を使っても、会社の商品なりサービスにその損害分を上乗せすれば、損害分は回収できるからです。

経営者は多大な責任を負うリスクを踏まえて経営するわけですから、自動車保険について考えておくことも大事なのです。


運転者に請求

加害者である運転者に責任能力があって、その行為が故意または過失によるもので、それによって他人の権利や利益を違法に侵害してしまい、その結果、損害を被れば運転者に損害賠償を請求することができます。いわゆる不法行為です。

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これは民法709条に、「故意または過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と記載されています。

ただ、故意と過失についてはそれぞれのケースにより判断が分かれるところです。

過失は個人の注意不足によりもたらされる損害まで想定できないということですが、車を運転するということが、人の命や体に大きな被害を与えるという可能性をはらんだ行為であることから、その注意義務は重いということを十分認識していなければなりません。

他人に雇われて自動車を運転中に事故を起こしてしまった場合も、もちろんその責任を問われます。

自動車保険の損害賠償

自動車保険の損害賠償では、自動車事故における被害者、損害賠償をする者は他人でなければならない、とされています。

全くの他人にぶつけたりぶつけられたりする事故なら分かりやすいものの、車の同乗者にケガをさせてしまった場合は判断が難しく、自動車保険の場合は個々のケースに応じて判断されています。

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自賠責保険法2条4頁では、運転補助者も運転手と同じとされています。
つまり、他人とはみなされないため、自動車保険の損害賠償の権利はないということです。

同じような事例で、みんなと車の乗り合わせで出かけて事故に遭ったら?夫の運転する車に乗っていて
事故に遭ったら?など判断が難しいところですが、判例では’他人’の判断をされ、保険金が下りていケースもあります。

これに関する法律は以下の2つです。

民法709条 他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者

自賠法3条 他人の生命又は身体を害した者

自動車保険の物損について

自動車事故に遭って、車や物を壊されてしまったら、自動車保険では物損事故といいます。

もちろん被害者は損害賠償をすることができますが、基本的に自賠責保険は人身事故に対してのみなので、任意保険の自動車保険会社に物損事故の損害賠償をしなければなりません。

自動車保険の物損

人身事故は、読んで字のごとく、事故によって人の身体を傷つけてしまうことをいいますが、物損事故は物や車などにその被害がとどまることをいいます。

ただ、ここで注意をしなければならないのは、ケガを追っていても軽いからと物損事故扱いだけで済まそうとしてしまったり、届け出を出した後で体の不調に気がついたり、また、加害者の社会的・道義的な理由で物損事故で届けてもらうよう頼まれてしまった場合です。

加害者が人間的に信用のおける、後々の治療費も負担してくれるような人ならいいのですが、そこは見極めが肝心です。

被害者がローンで車を買っていた時でも、同じように自動車保険で損害賠償の請求をできます。

被害者による損害賠償(物損事故)

自動車事故に遭って、車や物を壊されてしまったら、物損事故といいます。
被害者は損害賠償をすることができますが、自賠責保険は基本的に人身保険のみでできないので、任意保険に対してしかできないので注意が必要です。

人身事故は人に対して危害を加えてしまう事故、物損事故は相手の車や物などを壊してしまう事故のことをいいますが、気をつけなければならないのは、単に物損事故で済ませてしまいがちな些細なケガを
追った場合です。また、道義的に人身事故扱いを避けたがる加害者もいますから、のちのち些細なケガが長引いたり、治療が必要になった場合など、問題になることもあるのです。

物損事故扱いを頼まれたら、事故の加害者が人間的に信用のおける人か?これからかかる治療費も負担してくれる人か?を十分に検討することも大切でしょう。

被害者がローンで車を買っていた時でも同じように損害賠償をすることができます。

相続人による交通事故損害賠償

不幸にも被害者が交通事故で亡くなられてしまったら、その家族であり相続人に損害賠償請求をする権利が相続によって出てきます。

相続の順序や相続分は民法に定められています。

相続人による交通事故損害賠償


配偶者や子は常に相続人となります。
被害者に子や孫などの直系卑属がない場合は、直系尊属である父母や祖父母に、また、直系卑属も尊属もない場合は、兄弟姉妹やその直系卑属が相続人となります。

民法887条による各々の相続分は以下のとおりです。

①子および配偶者が相続人であるときは、それぞれ2分の1
②配偶者および直系尊属が相続人であるときは、配偶者が  3分の2、直系尊属が3分の1
③配偶者および兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者が  4分の3、兄弟姉妹が4分の1
④配偶者のみの場合は、配偶者が全部、配偶者がいない時は他の者が全部

なお、民法886条により、胎児も既に生まれたものとみなされ、相続権があります。

自動車保険損害賠償(人身)

交通事故の被害者が損害賠償の請求をする先は、相手の車が加入している自動車保険です。

人身事故による傷害が発生した場合、その被害者が自動車保険による損害賠償を請求するのが自然な流れです。

自動車保険損害賠償(人身)


しかし、例えば被害者の重度の介護により、その家族が働けなくなって生活に十分な給料をもらえな事態に陥ったり、被害者が重度の障害を負って、その家族が精神的な苦痛を受けたとするならば、両親や配偶者などにも保険金の慰謝料請求権が認められてきます。

家族が自動車事故に遭い、重度の後遺症を残してしまった場合などは、精神的にもかなり苦痛を味わうだけでなく、時間的損害、強いては働くこともままならなくなり、経済的にも大損害を受けることになりす。

また、自動車事故による被害者が、個人会社の社長であった場合に、その被害者に会社経営のほとんどをゆだねられてたりすると、例外的に会社の遺失利益の賠償請求をすることは認められています。

この場合はその被害者が会社の運営にどの程度関与していたか?実質的に営業が不可能になったのか?などの判断がそれぞれのケースで審議されます。

自動車保険の会社が賠償金の一括払い

現実には交通事故の加害者がみずから賠償金を立て替えるケースはあまり多くありません。
事故が起こったとき、大半は加害者側の自動車保険会社が「一括払い」という方法で、被害者に賠償金を支払って、加害者に代わって自賠責の請求を行います。

自動車保険の会社が賠償金の一括払い


被害者の損害が自賠責保険の限度を超えてしまうとき、任意保険の自動車保険会社はその超えた分を対人保険から支払わねばならないので、任意保険の会社は一括払いという方法をとるのです。

被害者にまとめて支払い、任意保険の自動車保険会社が自賠責保険に損害賠償の請求をし、下りたお金で穴埋めするのです。

その時、任意保険の会社は、自賠責保険の会社に対し、「事故通知連絡 兼 自賠責保険契約現存確認依頼書」という書類を送ります。

事故の相手が自賠責に入っているか、まだ有効期限は過ぎていないかを確認するためのものです。

損害賠償責任はなぜ生まれる?

損害賠償責任が生まれる原因として、債務不履行責任と不法行為責任のふたつがあります。

難しい言葉ですが簡単に説明しますと、こういうことです。
債務不履行は、与えられた義務を果たさなかったこと、不法行為はいけないこと、です。

損害賠償責任はなぜ生まれる?.jpg


たとえば、債務不履行責任の例では、バスに乗る場合、バス会社と乗客の間には乗客を指定された場所まで安全に、しかも定められた料金で送り届けるという契約が成り立ってますよね。

運転手の過失で乗客がケガした時は、契約不履行として損害の賠償を請求することができるのです。
運転手の過失はバス会社の過失と同じです。

また、不法行為責任は、たとえば、車を運転していて歩行者をはねてケガをさせたような場合です。
実際によく問題となるのは、この不法行為責任で、契約などの特別な関係がないものです。

なお、前述したバスの乗客の負傷の例では、不法行為の要素も備えているとみられ、判例によると被害者はどちらの責任を追及してもよいとされています。

もし自動車事故に巻き込まれたら・・・

Q
もしも自動車事故に巻き込まれたら・・・

A
誰だって、自動車事故には巻き込まれたくありませんよね。
車同士ぶつけられたり、バイクで柱にぶつけたり、車に跳ねられたり・・・

もしも自動車事故に巻き込まれたら・・・


街に出れば大なり小なり、危険も、事故を起こす確率も、あります。
身内や知り合いに交通事故の加害者被害者がいれば身近な話でも、なかなかその総数の多さには実感することがありません。


でも不幸にも自動車事故を起こしてしまったら、

被害者に与えた損害の賠償をしなければならない民事責任、社会的に刑事罰が下される刑事責任、点数を引かれたり、最悪には免許停止や取り消しとなってしまう行政責任

の3つが生じてきます。

自賠責保険の被害者請求と加害者請求

自賠責保険への請求は、加害者本人からでも被害者からのどちらでもかまいません。
交通事故の被害者が請求するのは、加害者の車にかかっている自賠責保険に対してのみです。
加害者が2台以上ある事故の時は、それぞれの自賠責保険に請求することができます。

自賠責保険の被害者請求と加害者請求


加害者から請求をする時は、すでに被害者に賠償金を支払っていることが条件となります。
支払った時に被害者から受け取った領収証と示談書を提出することになるのですが、実際には加害者が賠償金を立て替えるケースは少ないです。

被害者にお金を渡した時に領収証をもらっておかなくてはならないのは、見舞金と損害賠償の一部のどちらかなのか両者の見解が後々食い違ってくることもよくあるからなのです。

加害者が任意保険に入っていない時や被害者の過失が大きいときは、被害者から請求するのが一般的
です。

自動車保険会社に病院が被害者請求する場合・・・

交通事故による治療先の病院から、直接、自賠責保険に被害者請求してもらうこともできます。
ただし、治療費の分のみです。

自動車保険会社に病院が直接請求する場合・・・


被害者請求のうち、治療費部分の請求を病院がすることは、被害者が治療費を立て替える必要がなくなるため、一般的に病院に被害者請求してもうう人が多いです。

賠償金は病院へ直接振り込まれ、確実に治療費を回収できるのです。
そのため、病院の方が請求に積極的です。

また、場合によっては第三者が請求と受領を委任されることもできます。これを委任請求といいます。

遺族や弁護士など第三者に委任するときは、必ず委任状が必要です。

ちなみに、委任状を書くことや自賠責保険の請求をすることは、比較的難しいことではありませんので、
自分で書類を用意することができます。

本人が自動車保険の損害請求できない時

もともと障害をもった人や、交通事故によって重度の後遺障害を負い、本人が直接自動車保険の損害請求手続きできない場は、後見人が代理で交通事故の損害請求することができます。

本人が自動車保険の損害請求できない時


重度の神経障害をもっていたり、判断能力がなかったりした場合、その家族や家族同様の立場にある人が代わりに自動車保険請求しなければなりませんよね。

その時に必要となるのが念書です。

被害者との関係を明記した上で自動車保険会社に提出し、代理で手続きを行います。
代理人は被害者の家族や親族など、しかるべき立場の後見人がなることができます。

ちなみに、平成12年4月から、成年後見登記制度がはじまりました。

それまでは、禁治産者、準禁治産者として宣言し戸籍にも載せなければならず、プライバシーの問題があったのですが、戸籍上の記載はなくなりました。

交通事故の被害者が亡くなった場合

もし、不幸にも交通事故で被害者が亡くなってしまったら、その遺族が被害者請求をすることになります。
自賠責から支払われる死亡保険金は、相続財産と遺族慰謝料に区分され、それぞれの請求者権ごとに
計算された合計額(3000万円が上限)が支払われます。

交通事故の被害者が亡くなった場合


民法により配偶者、子、兄弟姉妹、直系尊属ごとに配分が決められています。

また、自賠責特有の考え方で、被害者の父母・配偶者・子に支払われ、民法の法定相続人とは異なる点です。

請求者が複数の場合は代表を決めて、代表者に委任します。

請求の手順は以下のとおりです。

→ 戸籍謄本で相続権のある人、慰謝料請求権のある人の名前を確認。

→ 遺族の中から請求代表者を決めます。

→ 請求者権者から代表者への委任状を揃える。

→ 請求後、損害の立証書類とともに、保険会社へ提出。

→ 提出後、1カ月くらいで支払われます。

交通事故の被害者が未成年だった場合

強制保険の賠償請求者権は、加害者のほか被害者にもあり、保険会社に直接、損害賠償の請求をするこができます。

被害者から直接行う請求は、一般に「被害者請求」と呼ばれていますが、正式には「法第16条請求」といいます。

交通事故の被害者が未成年だった場合


しかし、交通事故の被害者が必ずしも自分で請求できるとは限りません。
幼い子供やお年寄りだったり、長期入院を余技なくされたり、何らかの後遺障害で本人からは請求ができない場合もあるのです。

ここでは、被害者が未成年だった場合について書いていきましょう。

請求時に被害者が20歳に満たない場合は、法定代理人(親権者)からの請求になります。
この時、親子関係であることを証明するために、戸籍謄本(抄本)、または親子関係のわかる住民票が必要になります。

しかし、例外として未成年者でも結婚していれば成人として扱われ、本人から請求できます。
その時、戸籍謄本を結婚している証明として提出しなければなりません。

被害者の年齢については、あくまで請求時の年齢が基準です。
請求できる権利があるのは2年ですので、事故時は10代でも請求時に成人していれば、本人から請求することができるのです。